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2010 年度 実績報告書

ヘテロクロマチン領域で転写を維持する核内テリトリーとクロマチン構造の多角的解析

研究課題

研究課題/領域番号 22770008
研究機関中部大学

研究代表者

後藤 友二  中部大学, 生命健康科学部, 助手 (70362522)

キーワード転写制御 / 不活性X染色体 / Matrix attachment region / EIF2S3 / ヒストン修飾
研究概要

本研究では染色体テリトリー内のクロマチンヒストンの修飾や核内におけるクロマチンのループ構造と遺伝子の転写調節の関わりを統合的に理解するために哺乳類の不活性X染色体上で不活性化を免れる遺伝子をモデルにクロマチンレベル、核構造レベルでの転写制御を解析した。
ほ乳類では雌(XX)雄(XY)間の性染色体の遺伝子量を補正するために雌で2本あるX染色体の一方を不活性化する。この不活性X染色体の核内局在を三次元FISH法により解析した結果、不活性X染色体が核膜近傍の外周部に局在する一方、不活性化を免れる遺伝子領域は不活性Xのテリトリーの外側に局在することが分かった。これらのクロマチン領域の局在変化には染色体を核マトリクス(核内骨格)に固定する領域Matrix attachment region (MAR)が重要である考え、不活性化を免れる遺伝子の1つEIF2S3とその近傍で不活性化を受ける遺伝子間の領域のMARを探索したところ、EIF2S3の1kb、14Kb、16Kb上流付近に3つのMAR候補配列が検出された。このMAR候補領域のヒストン修飾を調べた結果、1kb上流のMAR領域ではH3K9、K27、およびH4K20のメチル化レベルが急激に変化していた。この結果は、不活性化を免れる遺伝子が不活性クロマチンのテリトリーからループアウトし、転写を維持するためには近傍のMAR配列周辺のクロマチン構造が変化し、核マトリクスにMARが固定される必要性を示唆している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Antioxidative effects of cherry leaves extract on tert-butyl hydroperoxide-mediated cytotoxicity through regulation of thioredoxin-2protein expression level2011

    • 著者名/発表者名
      Taguchi N, Uemura N, Goto Y, Sakura M, Hara K, Niwa M, Iida M, Yanagishita T, Watanabe D, Kato M
    • 雑誌名

      Journal of Toxicology and Environmental Health, Part A

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] L-cysteine as a regulator for arsenic-mediated cancer-promoting and anti-cancer effects2010

    • 著者名/発表者名
      Kato M, Kumasaka M, Takeda K, Hossain K, Iida M, Yajima I, Goto Y, Ohgami N
    • 雑誌名

      Toxicology in Vitro

      巻: 25 ページ: 623-629

    • 査読あり
  • [学会発表] メラノーマ自然発症モデルマウスを用いた癌抑制遺伝子のスクリーニングと機能解析2010

    • 著者名/発表者名
      後藤友二
    • 学会等名
      第33回日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      ポートアイランド(神戸)
    • 年月日
      2010-12-08
  • [学会発表] 不活性化を免れる遺伝子EIF2S3上流にあるクロマチン構造の解析2010

    • 著者名/発表者名
      後藤友二
    • 学会等名
      日本遺伝学会 第82回大会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌)
    • 年月日
      2010-09-20

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公開日: 2012-07-19  

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