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2010 年度 実績報告書

マウス生活史を通してのX染色体不活性化-再活性化サイクルの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22770010
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

杉本 道彦  独立行政法人理化学研究所, 動物変異動態解析技術開発チーム, 開発研究員 (10373317)

キーワードX染色体不活性化 / 初期発生 / エピジェネティクス / DNAメチル化 / 始原生殖細胞
研究概要

X染色体不活性化は哺乳類におけるエピジェネティック制御の代表的な現象として知られており、細胞の分化/脱分化に連動して発生過程を通じて不活性化/再活性化サイクルを繰り返すことが分かってきた。本研究の目的は、不活性化/再活性化が起こるその瞬間をとらえ、その時に一体どのようなエピジェネティックな現象を伴い染色体レベルでの遺伝子発現制御がなされているのかを明らかにすることにある。卵割期にはすべての割球の父親由来X染色体が不活性化し、その後胚盤胞期の内部細胞塊において一旦再活性化することが知られているが、そのタイミングと生物学的現象との関連性は分かっていなかった。初期胚での解析を行ったところどうやら胚盤胞期胚がまさに着床するそのタイミングで再活性化が起こるらしいことが分かってきた。これは、「着床」という哺乳類を特徴付ける重要なイベントとX染色体の活性変化が極めて密接にリンクしている可能性を示唆する結果である。次のステップとして着床後のエピブラストにおける「再不活性化」のタイミングと初期発生における生物学的イベントとの関連性を明らかにする計画である。また、始原生殖細胞が出現するタイミングで不活性X染色体の再活性化が起こるが、bisulfite sequencingによるX連鎖遺伝子のDNAメチル化解析を行ったところ、「遺伝子発現レベルでの不活性X染色体の再活性化」と「X連鎖遺伝子のDNA脱メチル化」の間に密接な関連があることを示唆する結果が得られた。今のところ始原生殖細胞における再活性化がまさに起こる瞬間はまだ捉えられておらず、各種マーカーの発現を指標に再活性化の瞬間を突き止め、再活性化とDNA脱メチル化との関連性を明らかにする計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Impeding Xist expression from the active X chromosome improves mouse somatic cell nuclear transfer.2010

    • 著者名/発表者名
      Inoue K., et al.
    • 雑誌名

      Science

      巻: 330 ページ: 496-499

    • 査読あり
  • [学会発表] Gene expression in embryonic pluripotential cells and germ cells in mice2010

    • 著者名/発表者名
      Abe K., et al.
    • 学会等名
      International Symposium on "Epigenome Network, Development and Reprogramming of Germ Cells"
    • 発表場所
      Fukuoka, Japan
    • 年月日
      2010-11-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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