紫外域を含む花色の評価、および被子植物219種の系統情報を考慮した形質比較により、古花をつけたまま色を変える「花色変化」の進化が、祖先形質や含有色素の可変性による制約を受ける一方で、同じ分類群内でもハナバチ媒花において生じやすいことを発見した。この結果は、報酬をもたない古花の色を変えるこの形質が、花色が変化しない場合よりもマルハナバチの同一個体による長期的な株の利用をうながす、という室内実験の結果とよく一致した。さらにタニウツギ属に焦点を当てた野外調査でも、花色変化する種はハナバチ類、花色変化しない近縁種はハエ・アブ類の訪問により強く依存した繁殖をおこなっていることが示された。
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