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2011 年度 研究成果報告書

交雑帯のゲノムスキャンによる種分化遺伝子の特定

研究課題

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研究課題/領域番号 22770019
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 生態・環境
研究機関神戸大学

研究代表者

高見 泰興  神戸大学, 大学院・人間発達環境学研究科, 准教授 (60432358)

研究期間 (年度) 2010 – 2011
キーワード進化生態学 / エコゲノミクス / 種分化 / 生殖隔離 / 交尾器 / オサムシ
研究概要

本研究の目的は,種分化に関与する遺伝子が,ゲノム内のどのような場所に存在し,どのような形質と関連しているのかを解明することである.材料は,これまで種分化のしくみが良く調べられてきたイワワキオサムシとマヤサンオサムシを用いる.知見が蓄積している材料に対して,新しい解析手法(ゲノムスキャン)を適用することで,種分化のメカニズムを,新たな視点から,さらに深く理解することを目指すものである.
クライン解析を用いたゲノムスキャンの結果からは,交尾器形態にかかわる遺伝子座(QTL)の近傍領域が,交雑帯における自然淘汰を受けていることが明らかになった.解析した12マイクロサテライトのうち,交尾器近傍領域では7/8が有意に中立から逸脱したのに対し,そうでない領域では全てが中立的であった(0/4).さらに,中立からの逸脱の多くは方向的な淘汰によるものであり,その方向は種間交雑による交尾器破損によって生じるコストを低下させる(雄交尾器は細く短く,雌交尾器は長く)ものであった.このことから,交尾器形態を決める遺伝子は生殖隔離を支配する種分化遺伝子であることが示唆された.
生態ニッチモデリングと,モデルを比較するための「ニッチ同一度テスト」と「背景類似度テスト」をもちいて,両種の生息地選好性が分化しているか否かを検証した.その結果,交雑帯付近においても両種の生息地選好性は分化を保っており,これがモザイク状の交雑帯構成に影響していると結論した.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] オサムシの交尾器はなぜ多様なのか-性淘汰と遺伝的基盤2011

    • 著者名/発表者名
      高見泰興
    • 雑誌名

      昆虫と自然

      巻: 46(3) ページ: 9-13

  • [雑誌論文] オオオサムシ亜属の交尾のしくみ2011

    • 著者名/発表者名
      高見泰興
    • 雑誌名

      昆虫と自然

      巻: 46(3) ページ: 13-14

  • [学会発表] 側所的分布の成立過程におけるニッチ分化の役割:捕食性歩行虫の場合2012

    • 著者名/発表者名
      高見泰興, 大澤剛士
    • 学会等名
      第60回日本生態学会大会
    • 発表場所
      大津
    • 年月日
      20120300
  • [学会発表] オオオサムシ亜属の交尾器形態の多様性と遺伝的基盤2011

    • 著者名/発表者名
      高見泰興, 雀部正毅, 曽田貞滋
    • 学会等名
      第55回日本応用動物昆虫学会大会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      20110300
  • [図書] オサムシ学の新展開.生態から進化まで

    • 著者名/発表者名
      曽田貞滋(編著), 高見泰興, 長太伸章, 小沼順二, 奥崎穣, 池田紘士, 土屋雄三, 雀部正毅(共著)
    • 出版者
      北隆館
  • [備考]

    • URL

      http://www2.kobe-u.ac.jp/~takami/

URL: 

公開日: 2013-07-31  

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