• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

小型種のサイチョウ類は大型種の生態系機能(種子散布)を代替できるのか?

研究課題

研究課題/領域番号 22770029
研究機関石川県立大学

研究代表者

北村 俊平  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (60549674)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード種子散布 / サイチョウ / 種子食害 / 長距離散布 / 体内滞留時間 / Aglaia / カオヤイ国立公園 / ラジオテレメトリー
研究概要

東南アジアの熱帯林を代表する大型の果実食鳥類であるサイチョウ類を対象とした行動追跡データと種子の体内滞留時間のデータを組み合わせ、サイチョウ類がつくりだす種子散布範囲の推定を行い、長距離散布者としてのサイチョウ類の潜在的な能力を明らかにすることと、サイチョウ類が量的に有効な種子散布者である大型種子をもつ樹木の種子散布範囲を推定し、人為的撹乱の影響を受けやすい大型種が絶滅した場合、小型種がそれらの生態系機能を代替することができるのかを明らかにすることを目的とした。
行動追跡データは、カオヤイ国立公園とホイカーケン野生生物保護区で過去に行われた電波発信機を用いた調査データを再解析し、オオサイチョウ、シワコブサイチョウ、ビルマサイチョウ、ナナミゾサイチョウの4種について単位時間あたりの移動距離の頻度分布データを得た。いずれのサイチョウ類でも1時間あたりの最大移動距離は5kmを超え、時に10kmに及ぶことがわかった。種子の体内滞留時間は、ドウシット動物園で飼育されている6種(オオサイチョウ、シワコブサイチョウ、ツノサイチョウ、ムジサイチョウ、ビルマサイチョウ、キタカササギサイチョウ)を対象として、果実10種1561個のデータを得た。種子の体内滞留時間の中央値は60分(範囲:2-237分)で、大部分が60分以内に口から吐き戻すまたは糞として種子が排泄されたが、10%の種子は2時間以上の体内滞留時間を示した。上記のデータを組み合わせて解析した結果、サイチョウ類は結実木から半径1km以内に種子散布する可能性が高いが、数%の種子は5kmを超えて散布されることがわかった。また、大型種のサイチョウ類と比べて小型種の種子散布距離の中央値や最大値は短く、大型種の絶滅にともない種子散布距離が減少する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Terrestrial activity patterns of wild cats from camera-trapping2013

    • 著者名/発表者名
      Lynam, A. J.
    • 雑誌名

      Raffles Bulletin of Zoology

      巻: 61 ページ: 407-415

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本における動物による種子散布に関する研究の現状と課題:FSD2010からFSD2015へ2013

    • 著者名/発表者名
      北村俊平
    • 雑誌名

      フェノロジー研究

      巻: 48 ページ: 43-54

  • [雑誌論文] Mapping the distribution of dholes Cuon alpinus (Canidae, Carnivora) in Thailand2012

    • 著者名/発表者名
      Jenks, K. E.
    • 雑誌名

      Mammalia

      巻: 76 ページ: 175-184

    • DOI

      10.1515/mammalia-2011-0063

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Occurrence of three felids across a network of protected areas in Thailand: Prey, intraguild, and habitat associations2012

    • 著者名/発表者名
      Ngoprasert, D.
    • 雑誌名

      Biotropica

      巻: 44 ページ: 810-817

    • DOI

      10.1111/j.1744-7429.2012.00878.x

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparative sensitivity to environmental variation and human disturbance of Asian tapirs (Tapirus indicus) and other wild ungulates in Thailand2012

    • 著者名/発表者名
      Lynam, A. J.
    • 雑誌名

      Integrative Zoology

      巻: 7 ページ: 389-399

    • DOI

      10.1111/1749-4877.12002

    • 査読あり
  • [学会発表] 動物による種子散布を中心として植物の移動戦略2013

    • 著者名/発表者名
      北村俊平
    • 学会等名
      日本生態学会
    • 発表場所
      グランシップ静岡
    • 年月日
      20130305-20130309
  • [学会発表] サイチョウ類が散布する種子の体内滞留時間2012

    • 著者名/発表者名
      北村俊平
    • 学会等名
      日本熱帯生態学会
    • 発表場所
      横浜国立大学
    • 年月日
      20120615-20120616

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi