研究課題
大腸菌を用いて、組換えKONJAC1 (rKJC1)、rKJC2、rVTC1(GDP-マンノースピロホスホリラーゼ)を作成し、これらの酵素活性を調べた。rVTC1は、GDP-マンノース合成活性に加えて、弱いGDP-グルコース合成活性を示した。rVTC1にrKJC1やrKJC2を混合したところ、GDP-マンノース合成活性と同様に(平成23年度の報告参照)GDP-グルコース合成活性が増加した。グルコマンナンは、GDP-マンノースとGDP-グルコースから合成されるが、KJCタンパク質はVTC1によるこれらの合成を促進する働きをもつことが示唆された。GDP-マンノースは、グルコマンナンのほかに、L-アスコルビン酸(ビタミンC)や糖タンパク質のN-結合糖鎖の合成に使われる。シロイヌナズナのkjc1変異体とkjc2変異体、kjc1kjc2二重変異体で、L-アスコルビン酸(ビタミンC)量とN-結合糖鎖の構造を調べた。kjc1変異体では、L-アスコルビン酸量も30%に低下していた。一方で、N-結合糖鎖の構造には変化が見られなかった。kjc2変異体では、Lーアスコルビン酸量は野生型植物と同程度であり、N-結合糖鎖の構造にも変化が見られなかった。また、著しいわい性を示す二重変異体でも、N-結合糖鎖の構造に顕著な変化は見られなかった。これらのことから、KJCタンパク質にはVTC1によるGDP-マンノースとGDP-グルコースの合成を高める働きがあり、グルコマンナンの合成に加えて、L-アスコルビン酸の合成にも影響することがわかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Plant Physiology
巻: 161 ページ: 1117-1126
10.1104/pp.112.211722
巻: 160 ページ: 653-666
10.1104/pp.112.202309