• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

昆虫の点光源コンパスの不安定性とその補償としての並行処理

研究課題

研究課題/領域番号 22770067
研究機関浜松医科大学

研究代表者

弘中 満太郎  浜松医科大学, 医学部, 助教 (70456565)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードナビゲーション / 定位 / 経路積算 / 太陽コンパス / 複眼 / ツチカメムシ類 / 亜社会性 / 視覚
研究概要

ナビゲーションを行う動物の多くは,太陽コンパスに代表される,点光源を基準として方向を決定するコンパスを利用することができる.本研究課題では,1.動物の点光源コンパスの機能的制約と,2.その制約への補償,について明らかにすることで,動物の多様なナビゲーションシステムの進化背景を理解することを目的としている.本年度は,2.の点光源コンパスの機能的制約に対する補償としての,「複数コンパスの並行処理仮説」を検証した.「複数コンパスの並行処理仮説」は,コンパスの基準点が障害物などで一時的に遮断されることを想定して,ナビゲーターが類似した複数の基準をあらかじめ並行処理しておき,ある基準が遮断された場合,別の基準によるコンパスを使うことで定位を補償する,と考えるものである.23年度までに,フタボシツチカメムシの採餌ナビゲーションでは,キャノピーギャップや太陽などの点光源コンパスが用いられることを明らかにした.この系を用いて,巣と餌場を往復するカメムシに,コンパスの基準点として高度など位置情報の異なる2つのLEDを提示し,それぞれのLEDを移動・消失させる実験を行った.高度差のある2つのLEDを点灯した実験アリーナにおいて,カメムシは正確に巣への帰巣を示した.帰巣直前に,2つのLEDの位置を逆転させると,カメムシは巣とは反対方向に定位した.帰巣直前及び帰巣途中に点灯していたLEDの片側を消したところ,消灯に影響を受けることなく片側のLEDのみで帰巣することができた.さらに,帰巣直前に片側を消してすぐに,点灯中のLEDの位置を180度シフトさせたところ,カメムシは巣とは反対方向に定位した.これらの結果は,フタボシツチカメムシが2つのLEDの位置を,それぞれ独立して,同時に,かつあらかじめ処理していることを示しており,複数のコンパスの基準点を並行処理している可能性が強く示唆された.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012 その他

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Use of multiple compass references in path integration of the subsocial burrower bug, Adomerus rotundus

    • 著者名/発表者名
      Hironaka M, Baba N, Hariyama T
    • 学会等名
      XXIV International Congress of Entomology
    • 発表場所
      EXCO (Daegu) Korea
  • [図書] 研究者が教える動物飼育 第2巻2012

    • 著者名/発表者名
      弘中満太郎
    • 総ページ数
      79-84
    • 出版者
      共立出版

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi