研究課題
これまでに、ハマベノギク属植物の環境適応に関して、四国南西那の太平洋側の海岸地に適応したソナレノギクの海岸地適応に関する形態的分化が明らかになった。そこで今年度は、日本海側の海岸地に適応しているハマベノギクの形態的分化を明らかにすることにより、並行的に出現した海岸地適応植物に関する独立した適応的形態の背景を明らかにすることができる。そこで本研究では、ハマベノギクの海岸地適応に関する形態的変化を明らかにし、ソナレノギクの結果と比較を行うことを目的として研究を行った。ハマベノギクは福岡県福津市で、採集し、葉の長さ、幅、厚さを計測した。またSUMP法及びパラフィン切片によって細胞の計測を行った。また、これまでに高知県幡多郡大月町で採集したソナレノギク、および高知県南国市で採集した対照植物あるヤマジノギクにおける計測結果を比較として用いた。本研究の計測結果から、ハマベノギクはソナレノギクよりも葉の長さ、厚さ共に低い値を示したものの、ヤマジノギクよりも葉を有意に厚くしていることが明らかとなったために、ハマベノギクは海岸地に適応するためにソナレノギクと同様に葉を厚くさせているものの、ソナレノギクほど葉を厚くないことが明らかとなった。この結果の要因を明らかにするために細胞レベルでの解析を行った結果、ハマベノギクはソナレノギクよりも細胞サイズが大きく、かつヤマジノギクよりも細胞数が少なくなるという特徴的な形態的分化を経ていることが明らかとなった。この結果から、ハマベノギクは細胞のサイズや数においてもソナレノギクとは異なる分化パターンを示す結果となった。
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