これまでの研究により、ヒト由来リボソーム蛋白質L30を大腸菌により大量発現させ、GSTおよびHis-tagによるアフィニティクロマトグラフィにより単一精製することができた。結晶化スクリーニングにより良質の結晶を得て、放射光フォトンファクトリーにおける回折実験を行ってL30の結晶構造解析に成功している。また、リボソーム上で働く本マシーナリーを構成する他の分子群に関しても、蛋白質調製およびRNA調製が終了しているため、相互作用解析・結晶構造解析へと比重を移す。SBP2のうちSECIS-RNA結合最小領域であるC末端部分を含むRNA-binding domain(RBD)及び、最小機能領域Sec incorporation domain(SID)は、GST融合蛋白質の形で大腸菌により組み換え発現・精製に成功しており、様々な条件における結晶化試行を行う。 B)蛋白質・RNA間の相互作用解析 Aで調製した各蛋白質と相互作用実験を行うためのRNA分子を大量に用意する。代表者は既にヒトSeP由来両SECISをクローニングし、T7 RNA polymeraseを利用したin vitro transcriptionが可能な系を構築済みである。すでにスモールスケールでのRNA調製には成功しており、Nucleo Bondなどを使用してスケールアップする。SECIS RNAは糖蛋白質Selenoprotein P(SeP)由来のものを使用している。
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