以前の研究で、ミトコンドリア膜透過装置の一部であるTom20がミトコンドリア前駆蛋白質の多様なプレ配列を認識できるメカニズムとして、「複数のコンホメーションの動的平衡を使っている」という新しい認識様式(動的認識モデル)をX線結晶構造解析とNMRスペクトル解析により提唱した。本研究では、Tom20とプレ配列ペプチドの新たな複合体をエンタルピーの効果を利用して安定化する試みを行った。この結果、新たな相互作用様式の複合体構造を得ることに成功した。これらの研究は、Tom20の可溶性ドメインのみをサンプルとして使用してきたが、今回、膜貫通領域を含むTom20タンパク質全長の発現も試みた。
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