Wntによって活性化される複数のシグナル伝達経路は、主として細胞の分化・増殖を制御するβ.カテニン経路と細胞運動・極性を制御するβ.カテニン非依存性経路に大別される。両経路で機能する細胞内因子Dvlにはリン酸化される可能性の高いセリン、スレオニン、チロシンが多く存在し、実際に幾つかの細胞株においてWntで刺激をすると内在性のDvlのリン酸化が観察される。しかし、現在までに両経路におけるDvlのリン酸化制御やリン酸化の意義に関する知見は乏しい。そこで、ヒトの710種類のリン酸化酵素を網羅したsiRNA libraryを用いてHeLaS3細胞におけるWnt5aシグナル依存性Dvlのリン酸化に関与するリン酸化酵素のスクリーニングを試みた。
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