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2011 年度 実績報告書

蛇毒酵素蛋白質に対する抗毒素蛋白質SSPの分子認識機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22770134
研究機関福岡大学

研究代表者

塩井 成留実 (青木 成留実)  福岡大学, 理学部, 助教 (50510187)

キーワード蛇毒酵素 / 蛇毒血清蛋白質 / 抗毒素蛋白質 / 生体防御機構 / 相互作用解析 / 分子認識機構
研究概要

本研究では、ハブ血清由来の抗毒素蛋白質SSPのCa^<2+>チャンネル結合性神経毒Triflinとアポトーシス誘導蛋白質Hv1に対する生理的阻害能、および相互作用部位を調べることが目的である。申請書に記載した「研究実施計画」に沿って平成23年度の研究結果を以下に示す。
1.抗毒素蛋白質SSPとハブ毒素蛋白質(Hv1,Triflin)の相互作用解析
(1)BlAcoreを用いた結合解析より、SSP-1,SSP-4は、ハブ血清中に存在する抗出血因子HSFと複合体を形成後、さらにHv1と三者複合体を形成した。また、SSP-2/HSF/Triflinの三者複合体形成も確認した。この結果より、SSPは、ハブ血清蛋白質とハブ毒蛋白質に対してそれぞれ異なる相互作用部位を持つことが示唆された。
(2)SSP-1変異体解析より、SSP-1分子表面のループ上に位置するV^<29>,F^<44>は、Hv1および、HSFの結合には関与しないことがわかった。一方、βシート上に位置するW^<33>は、HSFの結合に重要であることが示唆された。
2.Hv1のアポトーシス誘導活性に対するSSP/HSF複合体の影響
SSP-1(またはSSP-4)は、HSFとの複合体の形でHv1のペプチダーゼ活性を非拮抗的に阻害した(SSP-1/HSF:ki=8.7×10^<-9>M,SSP-4/HSF:ki=5.8×10^<-7>M)。また、SSP/HSF複合体は、Hv1(50nM)が誘導するヒト膀帯血管内被細胞(HUVEC)の核の断片化やカスパーゼ3の活性化を等モルでほぼ完全に抑制した。
3.NMR化学シフト法による相互作用部位の同定
(1)無細胞蛋白質合成系より、SSP-2と結合能力を保持している^<13>C,^<15>N標識Triflinの大量調整に成功した(計3.89mg)。
(2)Triflinの主鎖シグナルの帰属を行った。また、天然SSP-2を用いた滴下実験より等量のSSP-2存在下ですべてのTriflinが強固に結合している様子が観測された(k_D=0.12nM)。
(3)化学シフト解析を行った結果、SSP-2の添加でTriflinのシグナル強度が消失または、減少した残基は、TriflinのPR-1ドメインのβ4を中心とした領域(65~80残基の領域)に集まっていた。一方、C末端側ドメインに存在する残基は、ほとんどシグナル強度に変化がなかった(186~221残基の領域)。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Novel function of antihemorrhagic factor HSF as an SSP-binding protein in Habu (Trimeresurus flavoviridis) serum2011

    • 著者名/発表者名
      Narumi SHIOI, Masaaki NARAZAKI, Shigeyuki TERADA
    • 雑誌名

      Fukuoka Univ.Sci.Rep.

      巻: 41 ページ: 177-184

  • [雑誌論文] Isolation and characterization of a novel subunit of phospholipase A2 in hibitor in the serum of Trimeresurus flavoviridis2011

    • 著者名/発表者名
      Narumi SHIOI, Shigeyuki TERADA
    • 雑誌名

      Fukuoka Univ.Sci.Rep.

      巻: 41 ページ: 185-193

  • [学会発表] Characterization of a processing enzyme that cleaves the precursor protein for hyacinth protease inhibitors2012

    • 著者名/発表者名
      Narumi Shioi, Mika Watanabe, Yuka Takashima, Shigeyuki Terada
    • 学会等名
      日本農芸化学会2012大会
    • 発表場所
      京都女子大学
    • 年月日
      2012-03-23
  • [学会発表] ハブ毒メタロプロテア-ゼflavoraseとハブ血清SSP-3の相互作用2011

    • 著者名/発表者名
      安田早優希, 塩井成留実, 寺田成之
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] ハブ血清SSPsによるハブ毒Hv1の阻害2011

    • 著者名/発表者名
      中山明日香、林理恵子、塩井成留実、寺田成之
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] ヒヤシンス・トリプシンインヒビター前駆体プロセシング酵素の性質2011

    • 著者名/発表者名
      和田裕貴, 渡邉美翔, 塩井成留実, 寺田成之
    • 学会等名
      第84回日本生化学会大会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] ヒヤシンス・プロテアーゼインヒビター前駆体分解酵素の性質2011

    • 著者名/発表者名
      渡邉美翔, 高島由花, 塩井成留実, 寺田成之
    • 学会等名
      平成23年度日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      久留米大学
    • 年月日
      2011-05-22
  • [学会発表] 新規のハブ毒メタロプロテアーゼの構造と性質2011

    • 著者名/発表者名
      塩井成留実、真名子一樹、村上慶介、寺田成之
    • 学会等名
      平成23年度日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      久留米大学
    • 年月日
      2011-05-22
  • [学会発表] ハブ毒アポトーシス誘導タンパク質Hv1の性質2011

    • 著者名/発表者名
      坂口雅弥, 安部修平, 塩井成留実, 寺田成之
    • 学会等名
      平成23年度日本生化学会九州支部例会
    • 発表場所
      久留米大学
    • 年月日
      2011-05-22

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公開日: 2013-06-26  

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