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2011 年度 実績報告書

カイコ繭色遺伝子を利用した選択的脂質輸送機構の分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22770138
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

作道 隆  国立感染症研究所, 放射能管理室, 主任研究官 (70455393)

キーワード選択的脂質輸送 / SR-BI / カロテノイド / 繭色 / カイコ
研究概要

本研究は、鱗翅目昆虫のカイコ体内において、血液(体液)から絹糸産生細胞内へ脂溶性カロテノイド色素ルテインを選択的に輸送するC遺伝子と、ベータカロテンを選択的に輸送するF遺伝子の機能を培養細胞で再構成し、その再構成系を用いたキメラ遺伝子の解析等を行うことで、細胞のカロテノイド取込みの選択性が生まれる分子機構を明らかにすることを目標としている。C遺伝子は病原体の感染成立に関与することが知られているCD36遺伝子群に属する膜タンパク質Cameo2をコードすることが明らかとなっている。
F遺伝子も同様の膜タンパク質をコードすると予想されている。CD36遺伝子群は哺乳類においてもカロテノイドの輸送に関与することが報告されているので、本研究は昆虫だけでなく哺乳類にも知見を与え得るものと考えている。
F遺伝子がコードすると予想されていたCD36遺伝子群に属する膜タンパク質をトランスジェニックの手法でF遺伝子の変異体個体に導入したところ、ベータカロテンの選択的取り込みが促進された。すなわち、F遺伝子がCD36遺伝子群をコードすることについて、強固な証拠が新たに得られた。また、Cameo2を細胞内め特定のタンパク質と共に培養細胞に導入し、精製したカイコの血液リポタンパク質を培養液に加えたところ、培養細胞へのルテインの取り込みが促進される条件を見出した。すなわち、予備的ではあるが、培養細胞でのC遺伝子の機能再構成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の前提となるF遺伝子がCD36遺伝子群をコードしていることについて、新たな実験系から強固な証拠が得られた。また、本研究が確立を目指しているCD36遺伝子群によるカロテノイド輸送の培養細胞での再構成について、予備的ではあるが、C遺伝子を用いて成功した。

今後の研究の推進方策

F遺伝子によるカロテノイド輸送の培養細胞での再構成を目指す。F遺伝子が輸送すると考えられるベータカロテンは、C遺伝子が輸送するルテインと比較して疎水性が高いので、非特異的吸着によってベータカロテンの輸送量が測定できなくならないように実験器具の選定を注意する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] クラスBスカベンジャー受容体相同遺伝子の強制発現による繭の着色2012

    • 著者名/発表者名
      作道隆、飯塚哲也、内野恵郎、瀬筒秀樹、桑崎誠剛、生川潤子、山本公子、伴野豊、本田尚子、藤本浩文、土田耕三
    • 学会等名
      平成24年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
    • 発表場所
      九州大学(福岡県)
    • 年月日
      2012-03-18
  • [学会発表] Cameo2とCBP発現S2細胞によるルテインの取り込み2012

    • 著者名/発表者名
      永山春菜、作道隆、湯浅正志、横山洋、本田尚子、藤本浩文、岩野秀俊、土田耕三
    • 学会等名
      平成24年度蚕糸・昆虫機能利用学術講演会
    • 発表場所
      九州大学(福岡県)
    • 年月日
      2012-03-18

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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