研究概要 |
本年度は、原子レベルの相互作用部位とドメインレベルの構造の間のギャップを埋めるために、超二次構造に着目して研究を進めた。その結果、超二次構造レベルでは相互作用モチーフとの一般的な傾向は存在しないことが示された。これは基本的にどのような超二次構造でも相互作用面となりうることを示唆している。しかしながら、個々の超二次構造に着目してみると特定の相互作用モチーフとの高い親和性が見いだされた。特に核酸の相互作用モチーフと関連する超二次構造は同じサブユニットに存在するほかの超二次構造とは際立って異なることがわかった。この結果はMethods in Molecular Biology誌に掲載予定である。 さらに、去年度に引き続いて、一つのサブユニットに同時に見いだされる複数の相互作用モチーフの組み合わせから「複合モチーフ」を定義し、蛋白質の生物学的機能との対応を調べた。その結果、生物学的機能との対応は、配列類似性や単一の機能部位の構造類似性等と比較して、複合モチーフの類似性の方が高いことが示された。この際に利用した分類結果はライブサイエンス統合データベースセンターのTogoDBシステムを介して公開した。この結果はPLoSOne誌に掲載された(Vol. 7, p. e31437, 2012)。
|