蛋白質の相互作用部位(低分子化合物、蛋白質、核酸の結合部位を含む)の立体構造を網羅的に比較分類し、その結果を構造モチーフとして類型化した。その結果、特に蛋白質間相互作用部位に関しては、ほぼ全てのモチーフがホモログの間でしか共有されていないことが明らかとなった。このことから、従来の構造ドメインによる分類に比べて、構造と機能のより直接的な対応を明らかにできる可能性が示唆された。さらに、各サブユニットに含まれる複数のモチーフをまとめた「複合モチーフ」を定義し、生物学的機能との相関を詳細に調べた結果、相互作用部位の構造そのものの類似性や、配列類似性に比べてより頑強な相関があることが分かった。複合モチーフを、生物学的機能を単位としてさらにまとめることで、各蛋白質の静的構造のつながりを動的に表現し、註釈する方法を提案した。
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