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2010 年度 実績報告書

新規タンパク質RodZを中心とした原核細胞の形態形成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22770179
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

塩見 大輔  国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 研究員 (70507532)

キーワード大腸菌 / 形態形成 / 細胞骨格タンパク質 / 細胞分裂 / ペプチドグリカン / 蛍光タンパク質 / 免疫染色 / 低温感受性
研究概要

平成22年度は、大腸菌の細胞長を決める細胞骨格タンパク質RodZの解析を行った。その機能を解析するためには、RodZと相互作用する因子の同定が必須である。これまでに、rodZ欠損株の抑圧変異株の単離と変異部位の同定を行った。その結果、zipA遺伝子の上流に変異を持つ株が見つかった。この株ではZipAタンパク質の発現量がわずかに上昇していた。ZipAタンパク質は細胞分裂を制御するタンパク質の一つなので、RodZと細胞分裂の遺伝的相互作用が示唆された。これらの結果は、現在、投稿準備中である。RodZタンパク質は、細胞長に沿って、らせん状に配置されているが、抗RodZ抗体を用いた免疫染色やRodZと蛍光タンパク質mCherryとの融合タンパク質の解析により、RodZがFtsZ依存的に細胞分裂面にも局在することが分かった。特に、RodZは細胞周期の終わり頃に分裂面に局在することが分かった。
大腸菌には他にアクチンホモログMreBとチューブリンホモログFtsZがあって、RodZを含めた全ての細胞骨格タンパク質が空間的、時間的に正しく機能することによって、正しい細胞形態を維持できる。しかし、これらの細胞骨格タンパク質がどのように相互に関連して機能しているかは分かっていない。すでに、RodZがMreBと相互作用することは知られている。そして、本研究によって、RodZとFtsZとの相互作用が示唆された。RodZはMreBやFtsZと相互作用することによって、細胞伸長モードから細胞分裂モードへの変換の制御に関与しているかもしれない。
また、抑圧変異株の解析からペブチドグリカン合成に関与する脂質を合成する酵素の変異体がrodZ欠損株の低温感受性を抑圧することが分かった。また、この変異はrodZを持つ株の低温での生育も改善した。これらの結果は、論文にまとめ、現在投稿中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 大腸菌細胞骨格因子rodZ欠損株の抑圧変異体の解析から見た細菌の形態形成変化2010

    • 著者名/発表者名
      塩見大輔
    • 学会等名
      第4回細菌学・若手コロッセウム
    • 発表場所
      ラフォーレ修善寺・静岡
    • 年月日
      20100826-20100828
  • [学会発表] 大腸菌球状変異体rodZ欠損株の抑圧変異株の解析から見た球状から桿状への形態変化の機構2010

    • 著者名/発表者名
      塩見大輔
    • 学会等名
      21世紀大腸菌研究会
    • 発表場所
      グリーンピア南阿蘇・熊本
    • 年月日
      20100603-20100604

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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