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2010 年度 実績報告書

線毛の機能獲得の分子機構とその多様性

研究課題

研究課題/領域番号 22770190
研究機関山梨大学

研究代表者

成田 啓之  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 講師 (50452131)

キーワード繊毛 / 脈絡叢 / 上皮細胞 / プロテオミクス / ライブセルイメージング
研究概要

担当者は発生学的に近縁でありながら相異なる線毛を持つ2種類の脳室系上皮細胞[脈絡叢上皮細胞(CPE;一次繊毛)と上衣細胞(EPD;従来型繊毛)]を用い、この根本的な問題をライブセルイメージング、プロテオミクス,比較ゲノミクスなどの手法を用いて解明することを試みている。平成22年度の研究成果は以下の通りである。1.ブタ脈絡叢上皮細胞から単離・精製した一次繊毛をプロテオミクス解析し、1,115の分子を同定した。その中には従来型繊毛の運動機能への関与が示唆されている分子も含まれていることを見いだした。これは脈絡叢上皮細胞の一次繊毛が感覚機能だけでなく運動機能も併せ持つことを示唆する新規の知見であった。2.新生児マウス脈絡叢をライブセルイメージング解析したところ、上記のプロテオミクス解析の結果から予想された通り、活発に運動していることを見いだした。この運動はノード繊毛のような回転運動ではなく、従来型繊毛の鞭打ち運動に似ていた。以上の研究成果は、繊毛の機能的・構造的な多様性に関する既存概念に一石を投じる成果である。3.suppression-subtractive hybridizationおよびDNAマイクロアレイ法を用いてCPE-EPD間で発現レベルに大きな差異がある遺伝子群を同定した。これにより細胞あたりの繊毛数調節に関与すると予想される分子群を絞り込むことができた。さらにこの解析により、CPEの新規機能を示唆する情報を得ることができた。4.CPEとEPDの間で繊毛関連分子の発現レベルを幾つか比較すると、mRNAレベルでは同等の分子がタンパク質レベルでは大きく異なることが明らかとなった。これは繊毛の分化に転写後調節が大きく関わっている可能性を示唆する新規の知見である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Differential neuroprotective activity of two different grape seed extracts.2011

    • 著者名/発表者名
      成田啓之
    • 雑誌名

      PLoS One

      巻: 6 ページ: e14575

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unique property of choroid plexus epithelium primary cilia.2011

    • 著者名/発表者名
      成田啓之
    • 雑誌名

      The journal of physiological sciences

      巻: 61 ページ: S271

  • [学会発表] Proteomic analyses of cilia to explore its diversity and differentiation2010

    • 著者名/発表者名
      Keishi Narita, Hiroko Kozuka-Hata, Hiroko Ao-Kondo, Masaaki Oyama, Sen Takeda
    • 学会等名
      第50回米国細胞生物学会
    • 発表場所
      Pennsylvania convention center, Philadelphia, PA
    • 年月日
      2010-12-12

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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