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2010 年度 実績報告書

左右非対称な内臓器官と四肢形成の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 22770215
研究機関大阪大学

研究代表者

白鳥 秀卓  大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 准教授 (90362590)

キーワード左右軸 / 器官形成 / Pitx2 / Fgf10
研究概要

左右非対称な器官形成を支配する転写因子Pitx2の下流の分子機構について、以下の成果を挙げた。
1.心臓流出路の形成機構について
(1)心臓流出路で左右非対称に発現しているFgf10の下流シグナルを解析した。その結果、Fgf10によって活性化された細胞の指標であるリン酸化ERKも心臓の流出路で左右非対称に存在することが分かった。さらに、Fgf10の発現細胞は心筋層であるがリン酸化ERKが存在するのは内皮層であり、心臓流出路の左右非対称な形成には内皮層の左右非対称な形態変化が重要であることが示唆された。この結果は、心臓流出路の左右非対称な形態形成に加えて、不明な点が多い他の器官の左右非対称な形成機構の解明にもつながる成果である。
(2)ES細胞によるgene targetingによってFgf10の非対称性を制御しているPitx2結合配列を欠損させたマウスを作成して、今後の解析の準備を整えた。
2.肢芽におけるPitx2の左側特異的な発現について
(1)Pitx2には選択的スプライシングによって3種類のアイソフォームが存在する。その1種類であるPitx2cだけが左右非対称に発現する。このPitx2cが、他の2種類のPitx2aとPitx2bと同様に、肢芽の筋細胞で左右両側性に発現していることが分かった。この結果から、Pitx2cは左右対称性と非対称性の両方の発現によって肢芽の形態形成を制御していることが示唆された。
(2)肢芽における左右非対称性のPitx2発現細胞の細胞系譜を解析した結果、Pitx2が初期に発現した左LPMの細胞以外でも発現していることが分かった。この結果は、マウスの肢芽の左右非対称性やPitx2の左右非対称な発現の維持機構を解明するために重要な発見であった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of Pitx2c expression in the mouse heart using a reporter transgene.2011

    • 著者名/発表者名
      Milena B.Furtado, Hidetaka Shiratori
    • 雑誌名

      Developmental Dynamics

      巻: 240 ページ: 195-203

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Left-right asymmetry in the level of active Nodal protein produced in the node is translated into left-right asymmetry in the lateral plate of mouse embryos.2011

    • 著者名/発表者名
      Kawasumi Aiko, Hidetaka Shiratori
    • 雑誌名

      Developmental Biology

      巻: (掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] マウスの左右非対称な器官形成機構2011

    • 著者名/発表者名
      白鳥秀卓
    • 学会等名
      第151回日本獣医学会学術集会
    • 発表場所
      東京農工大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-03-30

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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