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2010 年度 実績報告書

マウス受精卵の賦活における精子・卵由来の各PLCアイソザイムの共同的働き

研究課題

研究課題/領域番号 22770227
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

松浦 徹  独立行政法人理化学研究所, 発生神経生物研究チーム, 研究員 (60415297)

キーワード受精 / PLC / イメージング / カルシウム振動 / フィードバック / FRET
研究概要

人をはじめとする脊椎動物の卵は、第二減数分裂中期(MII)で細胞周期を停止させており、受精による卵内のカルシウム(Ca^<2+>)濃度の振動(カルシウム振動)が引き金となって細胞周期を再開する。この現象を卵の賦活といい、精子由来のフォスホリパーゼ(PLC)によるIP_3産生を介して、IP_3受容体からのカルシウム放出によって引き起こされると考えられている。しかしこれまでに受精時のIP_3動態がどのようなものであるのかは確認されていない。
本研究はIP_3の蛍光指示薬・IRISを用いたIP_3測定により、受精時に卵内のCa^<2+>濃度を上昇させるメカニズムを明らかにすることを目的としている。申請者は受精卵での非常に微少なIP_3濃度変化を検出するために新規の蛍光性IP_3センサー(IRIS-2)を作製した。このセンサーは従来のものに比較して2倍の変化量を持ち、且つIP_3への親和性が5倍高い。IP_3濃度上昇によって引き起こされるカルシウム濃度変化を捉えるためには、IRIS-2と蛍光波長の重複が少ない新規カルシウムセンサー(DYC3.60)を作製した。これら新規IP_3、カルシウムセンサーを使用して、受精直後に起こるIP_3とカルシウム濃度変化をリアルタイムに可視化することに成功した。測定によって受精時にはカルシウム濃度上昇に先だってIP_3濃度上昇が起こることを初めて証明することに成功した。また受精後にIP_3濃度がカルシウム濃度とシンクロして振動することが明らかとなったが、IP_3濃度の変化はカルシウム濃度の変化の後に引き続いて起こることが明らかになった。この結果はIP_3の振動はカルシウム濃度の上下によるフィードバック制御により、受動的に引き起こされる、つまりはカルシウム振動は、IP_3によって活性化されたIP_3受容体がカルシウムによる正負のフィードバック制御を受けながら、自律的に制御していることを示唆している。

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公開日: 2012-07-19  

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