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2011 年度 実績報告書

味覚受容体を指標とした霊長類の環境適応の分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22770233
研究機関独立行政法人国立成育医療研究センター

研究代表者

菅原 亨  独立行政法人国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 研究員 (70553460)

キーワード霊長類 / 苦味受容体 / 幹細胞 / 多型 / 進化
研究概要

単細胞生物から脊椎動物までほぼすべての生物は、外界からの情報を受容する感覚システムを持ち、そこから得られた情報に基づいて行動する。感覚は生物の生存・繁殖に非常に重要であるため、それぞれの生物が生息環境に合わせた種特異的な感覚システムを保持していると考えられる。本年度は、霊長類の味覚受容体を対象にその遺伝子配列と蛋白質の機能との相互関係を明らかにするため以下の課題に取り組んだ。
1)苦味受容体機能解析のための実験系の構築をおこなった
2)ニシチンパンジーの苦味受容体機能解析をおこなった
3)味覚機能評価における新たな実験系の構築を試みた
苦味は、七回膜貫通型構造を持つ典型的なGPCRの1種であるT2Rを介した経路で伝わる。昨年度はニシチンパンジーやニホンザルのT2Rの多型解析をおこない、ヒトのT2Rと同様に種内多型が非常に大きいことをあきらかにした。本年度はそれらの多型が実際に受容体としての機能の違いや個体の苦み認識能力の差に影響を与えているか検討し、遺伝子配列と苦味受容能との相関をあきらかにした。
霊長類の味覚機能解析は、ヒトの細胞で受容体を強制発現させ細胞に苦味物質を添加する方法や個体に実際に苦味物質を与えその行動をみる方法がとられている。本研究では、それぞれの生物で味細胞を作製し機能解析にもちいることができないかと考え、幹細胞から味細胞を分化誘導する新たな実験系の構築を試みた。本年度は、ヒトのiPS細胞を用いて味覚受容体を発現する細胞の誘導をおこなった。現在までのところ神経幹細胞への分化誘導に成功し今後さらに分化を誘導することで味覚受容体発現細胞の作製が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Investigating cellular identity and manipulating cell fate using induced pluripotent stem cells2012

    • 著者名/発表者名
      Sugawara T, Nishino K, Umezawa A, Akutsu H
    • 雑誌名

      Stem Cell Res Ther

      巻: 3(2) ページ: 8

    • DOI

      doi:10.1186/scrt99

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reverse evolution in RH1 for adaptation of cichlids to water depth in Lake Tanganyika2011

    • 著者名/発表者名
      Nagai H, Terai Y, Sugawara T, Imai H, Nishihara H, Hori M, Okada N
    • 雑誌名

      Mol Biol Evol

      巻: 28(6) ページ: 1769-1776

    • DOI

      doi:10.1093/molbev/msq344

    • 査読あり
  • [学会発表] 霊長類味覚受容体の進化2011

    • 著者名/発表者名
      今井啓雄、鈴木南美、早川卓志、菅原亨、松井淳、郷康広、櫻井敬展、石丸喜朗、Lijie Yin, Wenshi Pan, 阿部啓子、三坂巧、平井啓久
    • 学会等名
      第89回日本生理学会大会
    • 発表場所
      長野県松本市
    • 年月日
      2011-03-31
  • [図書] Post-Genome Biology of Primates (Primatology Monographs)2012

    • 著者名/発表者名
      Tohru Sugawara, Hiroo Imai
    • 総ページ数
      286
    • 出版者
      Springer-Verlag

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公開日: 2013-06-26  

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