これまで、あまり明らかにされてこなかった野生小型哺乳類の消化管内微生物叢を16S rRNAを用いた分子生態学的解析を行うことによって同定し、その役割を推定した。その結果、①草食性小型齧歯類の前胃内微生物叢の多様性は極めて低く、大型草食哺乳類の前胃のように繊維質の分解には寄与していないと考えられること、②雑食性小型齧歯類の盲腸内微生物叢の多様性は極めて高く、食物の消化に大きく貢献していると考えられること、③食虫性モグラ類の消化管内微生物叢の多様性は高いものの、哺乳類において報告されている消化管内微生物叢とは目レベルにおいて構成比が異なること、が明らかとなった。
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