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2011 年度 実績報告書

遺伝的に異なる近交系メダカ2系統を用いた嗅覚の適応進化メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 22770236
研究機関大阪医科大学

研究代表者

橋口 康之  大阪医科大学, 医学部, 助教 (70436517)

キーワードメダカ / 嗅覚受容体 / 魚類 / 進化 / 定量PCR / RLM-RACE / 行動解析
研究概要

生物が自らの生息環境に適応する仕組みを理解することは、生物の多様な形質の進化や、種の形成を理解する上で重要である。適応に関係する形質の一つとして「感覚系」は、特に注目に値するものの一つである。本研究ではメダカを材料にして、進化遺伝学的解析および行動解析を行うことで、化学物質を認識する感覚である「嗅覚」の適応進化機構の解明につながる知見を得ることを目指して研究を進めている。昨年度は、遺伝的に異なるメダカの2近交系(Hd-rR,HNI)を用いてそれらの嗅覚受容体遺伝子(OR)を特定するとともに、匂い物質に対する嗜好性を評価する行動実験系を始動した。本年度は、メダカOR遺伝子の発現量を測定し系統間で比較するとともに、メダカのアミノ酸水溶液に対する嗜好性を調べる行動解析を行った。遺伝子発現解析について、定量PCR法により28種類の異なるOR遺伝子の発現を測定し、系統間で比較したところ、少なくとも2種類のOR遺伝子で発現量に有意な違いが見られた。またOR遺伝子の発現量には、Hd-rR系統がHNI系統よりやや高い傾向がみられた。次にOR遺伝子の発現量の違いに関わる変異を特定するため、個々のOR遺伝子の転写開始位置をRLM-RACE法を用いて決定し、5'側の転写調節部位を特定することを試みた。この解析は現在進行中であるが、いくつかのOR遺伝子ですでに転写開始点を特定することに成功している。行動解析については、実験用水槽などの装置を作成し、アミノ酸に対する嗜好性をHd-rR系統メダカで調べた。現時点ではメダカの行動をリアルタイムでモニタリングする実験装置の作成は完了し、複数のアミノ酸水溶液を用いた実験を進めているが、まだ明確な結果は得られていない。HNI系統メダカについては、実験用の個体を繁殖・生育させる段階で手間取り、まだ解析を行っていない。現在、実験用個体を飼育・繁殖中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Characterization of squamate olfactory receptor genes and their transcripts by high-throughput sequencing approach2012

    • 著者名/発表者名
      Dehara Y., Hashiguchi, Y., Matsubara K., Yanai, T., Kubo, M., Kumazawa, Y.
    • 雑誌名

      Genome Biology and Evolution

      巻: 4 ページ: 602-616

    • DOI

      doi:10.1093/gbe/evs041

  • [雑誌論文] Mitochondrial genomes of two African gechos of genus Hemitheconyx (Squamata : Eublepharidae)2012

    • 著者名/発表者名
      Jonniaux, P, Hashiguchi Y, Kumazawa Y
    • 雑誌名

      Mitochondrial DNA

      巻: (印刷中)(未定)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 西表島におけるドジョウの危機的生息状況と遺伝的特異性2012

    • 著者名/発表者名
      鹿野雄一、中島淳、水谷宏, 他6名
    • 雑誌名

      魚類学雑誌

      巻: 59 ページ: 37-43

    • 査読あり
  • [学会発表] フグ科魚類におけるフグ毒結合タンパク質の分子進化2012

    • 著者名/発表者名
      橋口康之, L. Jaeman, 白石真、小松正治、三木志津帆、島崎洋平、日下部宣宏、大嶋雄治
    • 学会等名
      日本水産学会
    • 発表場所
      東京海洋大学
    • 年月日
      2012-03-27
  • [学会発表] Nucleotide and copy number differences of olfactory receptor (OR) genes in two inbred strains of medaka fish2011

    • 著者名/発表者名
      Yasuyuki Hashiguchi
    • 学会等名
      SMBE 2011
    • 発表場所
      Kyoto University
    • 年月日
      2011-07-26
  • [図書] 現代の生態学7エコゲノミクス-遺伝子からみた適応-(森長真一・工藤洋編)2012

    • 著者名/発表者名
      橋口康之(分担執筆)
    • 出版者
      共立出版(印刷中)(未定)

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公開日: 2013-06-26  

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