これまで、非視覚系情報処理に大きな役割を担っているメラノプシン網膜神経節細胞(mRGC)の光反応は、桿体や錐体の干渉を受け、ヒトのmRGC独自の反応を把握することは難しかった。本研究では、mRGCを錐体や桿体から独立に刺激する多原色光源を用い、網膜電図にてmRGCの反応特性を把握した。 結果として、mRGCの反応ピーク潜時(約80 msec)は、過去に報告されている桿体や錐体のものと比較して長いことが示された。また、本研究で用いた実験光では、mRGC反応と光強度の間に量―反応関係があり、反応は低周波刺激に対して大きく高周波刺激に対して小さいことが明らかとなった。
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