研究課題
ゲノム配列の解読された多くの生物において、転移因子(トランスポゾン)が大きな割合を占めていることが明らかになった。DNAトランスポゾンの転移には、転移酵素(トランスポゼース)とトランスポゾン両末端にあるトランスポゼースが作用する反復配列が必要である。しかしながら、DNAトランスポゾンの活性な転移は、宿主には有害となるので、ジェネティックやエピジェネティックな制御を受けて通常は抑制されているが、稀に活性型が存在し、植物では花や葉で細胞系譜に沿った斑入り模様として転移が観察できる。イネのゲノム中に多く存在しているDNAトランスポゾンのうち、転移できる因子は限られている。自然栽培条件下で活発に転移し続けるDNAトランスポゾンnDart1-0は非自律性であるので、転移に必要な転移酵素は、自律性因子aDart1-27から供給されるが、そのmRNAは限られた系統においてのみ発現できる。しかしながら、アフリカの野生イネとの交配後代から、転移酵素のmRNAを消失させnDart1-0の転移を抑制する優性の因子(Dart canceller : Dac)を見いだした。抑制因子Daoは、1因子であったので、同定し抑制機構の解明に取り組んだ。転移酵素の転写産物の解析により、転移酵素の消失は、転写後に起きていることを明らかにしたので、Dacは、これまでに報告されていない新規の抑制機構をもっている可能性が示された。
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