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2011 年度 実績報告書

次世代シークエンシングによるブドウの単為結果関連遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 22780021
研究機関京都大学

研究代表者

羽生 剛  京都大学, 農学研究科, 助教 (60335304)

キーワード果樹園芸学 / ブドウ / 単為結果 / EST解析 / 熱ショックタンパク質
研究概要

ブドウでは,ジベレリンによる単為結果誘起(種なし化)は非常に重要な技術であり,実用技術として広く用いられているが,その作用機構に関しては未だ不明な点が多い.そこで本研究では,ブドウの植物生長調節剤による他動的単為結果誘起機構の解明を目的とし,次世代シークエンサーを用いた大規模EST解析により他動的単為結果誘起に関係している遺伝子の同定を試みている.本年度は次世代シークエンスにより得られたデータの解析および候補遺伝子の推定を行った.
昨年行ったアセンブル結果では,Unigeneが合計137,055個と冗長性が高く発現変動遺伝子の数も多かったため,アセンブルに用いるプログラムを変更し,再アセンブルを行った.Trinityによる再アセンブルの結果,19,208個のContigが得られ(アルゴリズム上結果はContigのみ),昨年よりも冗長性を低減させることができた.さらに,発現解析のためBWAによるReadのマッピングを行った結果,有意に発現が増加しているContigは251個,減少しているContigは312個であり(どちらも2倍以上変化,p<0.05),発現変動遺伝子についても冗長性を低減できた。これら発現変動遺伝子群に関してGeneOntology解析を行ったものの増加・減少ともに特徴的な機能遺伝子群を見出すことはできなかったが,遺伝子発現の減少程度が顕著な遺伝子の上位には熱ショックタンパク質(HSP)が多く含まれていた.これらのHSPはGA処理前には高発現していたが,処理1日後にはほぼ発現が見られなくなっており,この発現変動はReal-Time PCRでも同様の結果が得られた.これらのことから,HSPの発現減少が単為結果の誘起に関係している可能性が示唆された.これまでHSPが単為結果に関係しているという報告はなく,単為結果とHSPの関係を明らかにできれば単為結果誘起機構に関する新たな知見が得られるだけではなく,HSPがもつストレス耐性とは別の一面に関しても明らかにできる可能性がある.今後,HSPと単為結果との関係に関してさらに調査を進めていく予定である.

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公開日: 2013-06-26  

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