1.LCMによる花弁内組織の回収と開花関連遺伝子の組織特異的発現の実証 以下の実験操作を通して、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)を用いて、カーネーション花弁から細胞を回収し、良質のRNAを抽出するための条件を検討した。 (1)細胞回収条件として、(1)回収に用いるバッファーの種類(A社のバッファー1または2)、(2)回収にかける時間(RNAの分解を防ぐためできるだけ短くする必要がある)、(3)一度のRNA抽出に投入する細胞量(=組織切片の枚数、多いほど望ましいが、RNA抽出までの保存期間が限られるため、時間的、労力的に限度がある)を検討した。得られた細胞から微量RNA抽出キットを用いてRNAを抽出し、その後バイオアナライザーによりRNAの濃度、品質の分析を行った。その結果、花弁柔細胞から良質のRNA(RNAの分析の結果、リボソームRNAのピークが認められる)を抽出することに成功した。 (2)抽出されたRNAは微量であったため、RNA増幅キットを用いて増幅、cDNA合成を行った。 (3)得られたcDNAを鋳型としてRT-PCRを行った結果、適当なサイクル数で、アクチンやユビキチンをコードする遺伝子(ハウスキーピング遺伝子)やアクアポリン遺伝子の断片を増幅することができ、得られたサンプルをPCRによる遺伝子発現解析に用いることが可能であると考えられた。 今後、同様の方法で表皮および維管束からも細胞を回収し、リアルタイムRT-PCRにより組織間で遺伝子発現量を比較する予定である。 2.マクロアレイ解析による花弁屈曲に関与する遺伝子の探索 受託サービスを利用し、マクロアレイ解析に用いるカスタムプローブのデザインを行った(約650個のターゲット遺伝子のそれぞれにつき6種類)。
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