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2011 年度 実績報告書

カロテノイドによる花弁の模様形成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22780033
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

岸本 早苗  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所・花き研究領域, 主任研究員 (70355717)

キーワードカロテノイド / 花き類 / 花弁
研究概要

シュンギクは花弁の基部のカロテノイド量が先端部よりも少なく、覆輪模様を生じる系統と花弁全面が濃黄色の単一色を示す全面着色系統が存在する。これらの系統においてゲノム中のカロテノイド酸化開裂酵素遺伝子CCD4の存在の有無についてゲノミックPCRにて解析を行ったところ、調査を行った覆輪系統65個体全てからからCCD4の増幅が確認されたのに対し、全面着色系統8個体からはCCD4の増幅は認められず、ゲノムDNAからCCD4が欠落していることが明らかになった。このことからシュンギクの覆輪形成には0α74が関与しており、CCD4が欠損することによって花弁全面が均一に着色する全面着色系統になることが明らかになった。
また、トレニア'クラウンミックス'白花系統の花弁のカロテノイドによる濃着色部および淡色部において、HiCEP法による差次的発現遺伝子の単離・解析を試みた。HiCEP法は制限酵素と選択的プライマーの組み合わせによって発現している遺伝子を網羅的にプロファイリングするcDNAを用いたAFLPの一種であるが、定量性に優れているという特徴を持つ。本年度は淡色部と濃色部の発現遺伝子のプロファイリングを行ったところ、全体で約19000の発現遺伝子がピークとして検出された。これらピークの高さを濃色部と淡色部で比較したところ、濃色部で淡色部の2倍以上の発現量が得られたピークが300ピーク、淡色部で濃色部の2倍以上の発現量が得られたピークが60ピークであった。このうち、9倍~3.5倍の差を示す34ピークを選び出し、塩基配列を決定した。濃色部で高い発現を示した27ピークにはカロテノイド代謝・蓄積関連遺伝子のホモログが8ピーク(Fibrillin,NXS,LCYB)、光合成関連遺伝子が6ピーク含まれていた。34ピークの中には転写因子と考えられる配列は含まれなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の目的であるカロテノイド代謝関連遺伝子の転写因子は得られていない。しかしながら、覆輪の形成メカニズムの解明については順調に研究が進展している。

今後の研究の推進方策

トレニア濃色部・淡色部における差次的発現遺伝子の解析をさらに進める。トレニア花弁においてカロテノイドの有無を決定していると推測される遺伝子が得られれば遺伝子組換えによってその機能を確認する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] シュンギク花弁の覆輪形成にはカロテノイド酸化開裂酵素遺伝子CCD4が関与している2011

    • 著者名/発表者名
      岸本早苗
    • 学会等名
      園芸学会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県)
    • 年月日
      2011-09-25

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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