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2012 年度 実績報告書

オオタバコガ休眠蛹の細胞膜脂質の低温への適応と、羽化への発達によるその喪失

研究課題

研究課題/領域番号 22780046
研究機関島根大学

研究代表者

泉 洋平  島根大学, 生物資源科学部, 助教 (10457210)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード休眠 / リン脂質 / フォスファチジルエタノールアミン / フォスファチジルコリン / 低温順化
研究概要

熱帯起源の侵入害虫による農作物等への被害が、南西諸島のみならず本島でも最近大きな問題となっている。この分布拡大の大きな要因は地球温暖化であろう。しかし、本島に侵入したこれらの害虫が今後北に分布を拡大するための最も大きな制限要因は冬季の低温と考えられる。そのため、今後熱帯起源の侵入害虫の分布拡大を予測するためには、その害虫の低温耐性の詳細を知ることが重要である。本研究では、熱帯起源であり凍結耐性を持たないオオタバコガを用いて、休眠および低温順化による細胞膜リン脂質の低温への適応、および羽化への発達に伴う細胞膜リン脂質の再構築の低温障害に及ぼす影響について明らかにする事を目的として以下の研究を実施した。
オオタバコガの休眠は、短日(10L14D)もしくは15℃以下の低温により誘導される。低温で誘導された休眠蛹(LT)は短日で誘導された休眠蛹(SD)よりも低温耐性が低く、0℃処理での半数生存日数も有意に短い。両者とも生存率が著しく低下する処理日数のときに羽化日数が短くなることから、両者の0℃処理における生存率の違いは、休眠深度の違いによる物であることが昨年の研究により示唆された。本年はリン脂質の構成比率が低温順化および低温処理によりどのように変化するかの詳細について調査した。その結果、LT、SDとも低温順化によりフォスファチジルエタノールアミン(PE)の比率が上昇し、反対にフォスファチジルコリン(PC)の比率が減少した。LT、SDともにPEの不飽和度は低温順化により高くなったが、SDのほうがLTよりも不飽和度が高かった。PCの不飽和度では有意な変化は認められなかった。また、0℃処理では両者とも休眠が打破されたと考えられる日数後に、リン脂質の組成が低温順化前の比率に近い状態に変化することが示された。これは、羽化への発育に伴う組織の再構築によるものであると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Quality Control of Photosystem II: Lipid Peroxidation Accelerates Photoinhibition under Excessive Illumination.2012

    • 著者名/発表者名
      Tiffanie Chan
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 7(12) ページ: e52100

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0052100

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of loach consumption on the reproduction of giant water bug Kirkaldyia deyrolli: dietary selection, reproductive performance, and nutritional evaluation.2012

    • 著者名/発表者名
      Shin-ya Ohba
    • 雑誌名

      Journal of Insect Conservation

      巻: 16 ページ: 829-838

    • DOI

      10.1007/s10841-012-9469-0

    • 査読あり
  • [学会発表] 細胞膜脂質の変化がオオタバコガ休眠蛹の低温障害に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      泉 洋平
    • 学会等名
      昆虫学会
    • 発表場所
      玉川大学 (町田市)
    • 年月日
      20120916-20120917

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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