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2011 年度 実績報告書

トビイロウンカの相変異の誘導に関わる遺伝子の探索と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 22780050
研究機関独立行政法人農業生物資源研究所

研究代表者

小林 徹也  独立行政法人農業生物資源研究所, 加害・耐虫機構研究ユニット, 主任研究員 (90355321)

キーワードトビイロウンカ / 相変異 / マイクロアレイ / RNAi
研究概要

トビイロウンカの全組織、全ステージから抽出したRNAをシーケンサーロシュ454FLXで解析し、120万リードの塩基断片を得た。これを既知のトビイロウンカEST13万クローンと合わせてMIRA3でアセンブルを行い、約11万の転写産物のコンティグを作成した。このうち、信頼性の高い塩基配列からなるコンティグを58,000選び、アジレント社製マイクロアレイ解析用のプローブを設計した。
翅型解析用に作製したトビイロウンカ系統の同一集団から由来する3齢脱皮後直後の幼虫を、異なる翅型を誘導する2つの環境条件に分けて飼育した。途中、3齢2日、4齢2日、5齢2日にサンプリングを行った。また成虫の翅型を記録し、確かに2種の条件下で異なる翅型が誘導されることを確認した。実験は2反復行い、それぞれ3齢、4齢由来のRNAについて8x60Kのマイクロアレイ1枚で遺伝子の発現量を網羅的に比較した。
統計的に有意な発現量の変化を示した遺伝子について、上位から順にデータベース上の既知遺伝子と配列を比較して大まかな機能を推定した。
結果、他の昆虫種で近年相変異に関与することが疑われる遺伝子の変動がトビイロウンカにおいても認められた。また、現在までに相変異との関連が一切報告されていないある代謝系に含まれる複数の遺伝子が大きく変動していることが明らかになった。
現在、変動の見られた遺伝子と、この代謝系に含まれる他の遺伝子について、合成dsRNAを使用したRNAiによる機能破壊実験を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通りすすんでいる。マイクロアレイ解析においては、反復実験と統計処理の結果、信頼性の高い変動遺伝子群を同定できている。

今後の研究の推進方策

RNAi法によって相変異に関する表現型に変化が現れるかどうかがカギになる。このためには複数の遺伝子を同時にノックダウンする必要があることも考えられ、検証には時間がかかる可能性がある。

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公開日: 2013-06-26  

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