本研究では、土地改良に伴う乾田化によるグライ層深度の低下を予測するモデルの開発を行い、作成した予測モデル用いて、福井県全域において新たな水田土壌図を試作した。グライ層深度の年平均低下速度は谷津田で0.28 cm、その他の低地で1.31 cmとなった。2000 年時点でのグライ層出現深度の予測値をグライ層深度の年平均低下速度のみから算出した結果、その他の低地で過剰にグライ層出現深度を低く予測していることが明らかとなった。そこで、その予測誤差の空間依存性を解析して空間統計学的手法により評価するモデル(交雑クリギング法)の開発を行った。このモデルを用いて福井県の水田土壌図を作成したところ、グライ層が表層下30cm以内から現れる強グライ土が30%程度減少し、グライ層が表層下30cm~80cm の間に現れるグライ土およびグライ層をもたない灰色低地土に変化していると予測した。
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