研究概要 |
本年度は、デオキシイズモリングの中核をなすL-ラムノースから6デオキシ-D-プシコースまでの五段階の反応経路を見直し収率・収量を向上させることを目標としたが、1-デオキシ-L-プシコースまでの三段階目しか到達できなかった。理由として水素添加装置が破損したため研究が継続できなくなったことが挙げられるが、次年度は問題ないと考えている。今年度の実績を下記に記した。 1.L-ラムノースの水素添加の条件 水素添加装置の水素充填圧、撹拌速度、および糖濃度について検討した結果、糖濃度10%,法令規制限界の水素圧1.OMPaの条件で、5%濃度のL-ラムノースが48時間、10%濃度のL-ラムノースが72時間後にL-ラムニトールに100%転換された。本結果から、水素圧が高い条件において還元反応が早く進むということがわかった。 2、微生物酸化 Enterobacter aerogenes IK7株の休止菌体で酸化反応を実施した。培養条件はTSB+1%D-マンニトール培地による培養菌体の活性が最も高く、菌体濃度20、撹拌速度については300mL容三角フラスコに30mLが最適であり、基質10%の高濃度を48時間後に87%まで1-デオキシ-L-フルクトースに変換させた。 3.異性化 固定化させたD-タガトース3-エピメラーゼにより1-デオキシ-L-フルクトースの3位のエビ化効率の向上を図った。基質濃度が10%のときでも反応したが、濃度5%の条件が単位時間あたりの生産量が多い結果であったので、5%が良いだろうと考えている。しかし、以前酵素活性が低く、平衡に達していないためさらに検討が必要である。 4.上、1~3とは別にデオキシ希少糖を生産するために新たにデオキシ希少糖を用いて希少糖生産酵素を有する微生物をスクリーニングし、有望な2株を得た。次年度、評価を実施する。
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