本研究では、アルギン酸ゲルの三次元的な網目構造が光触媒の接触効率を高めることに着目をし、可視光応答型光触媒をアルギン酸ゲルに包括固定化することにより、高殺菌機能性を有する光触媒固定化膜の創生を行い、本膜の種子殺菌への応用について検討を行った。本膜の殺菌機能はS-TiO_2に銅を共存させることにより相乗的な殺菌効果が認められ、ビーズ状に成型加工することで、種子殺菌性能を飛躍的に向上させることが可能となった。また本光触媒は、従来法である次亜塩素酸ナトリウムによる種子殺菌法では困難であった、種子の発芽や成長に影響を与えることなく種子殺菌が可能となったことから、種子殺菌以外にも防菌防黴分野などへの幅広い利用が期待できる。
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