侵襲性アスペルギルス症は致死率50%を越えるため、新しい治療法の開発が渇望されている。本研究ではアスペルギルス症の主要原因菌Aspergillus fumigatusのプロテインキナーゼの解析を通じて細胞周期と菌糸成長速度との関係を解明することを目的とする。阻害剤、遺伝子破壊、遺伝子発現抑制、化学遺伝学などの手法を用いて4種類のプロテインキナーゼを解析し、Auk1およびMps1が生育に必須であることを見いだした。アスペルギルス症の新しい治療戦略の基礎を構築するのに貢献でき、基礎生物学的にもユニークな細胞周期の制御メカニズムという新しい知見を与えることが期待される。
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