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2011 年度 実績報告書

シロイヌナズナ分裂組織におけるプロプラスチド分裂機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22780087
研究機関上智大学

研究代表者

藤原 誠  上智大学, 理工学部, 准教授 (90332345)

キーワード色素体 / 葉緑体 / シロイヌナズナ
研究概要

植物個体における色素体の発生的起源は、多くの場合、分裂組織の未分化なプロプラスチドである。光合成組織の葉緑体の分裂増殖機構に関しては、過去20年間精力的な研究が展開されてきたが、プロプラスチドに関してはほとんど解析が進められてこなかった。本研究は、シロイヌナズナ(Arebidopsis thaliana)の色素体分裂異常変異体リソースと蛍光タンパク質を用いた生体観察法を利用して、プロプラスチド増殖機構に関する知見を得ることを目的とする。
本年度は、昨年度出揃った色素体分裂異常変異体(arc5、arc6、arc11、atminE1の4種)と色素体ストロマ局在型CFP(cyan fluorescent protein)またはYFP(yellow fluorescent protein)発現系統との交配系統をF3種子まで増幅し、それらの色素体を生組織レベルでモニターするための撮影条件を設定した。葉緑体分裂に必須なARC6の変異体は保存的分裂因子FtsZのリング形成を阻害するが、arc6の分裂組織では一細胞中に複数のプロプラスチドが存在することが示された。このFtsZ非依存的プロプラスチド複製をさらに確かなものとするために、ftsZ変異体におけるプロプラスチドの可視化を試みた。当初、既存のストロマCFP/YFP発現系統とftsZ変異体との交配を進めたが、蛍光タンパク質を発現しかつftsZホモ接合型のF2植物を得ることができなかった。そこで次に、アグロバクテリウム法を用いてストロマ局在型YFPを発現するT-DNAコンストラクトをftsZ変異体に導入した。その結果、数世代安定にストロマYFPレベルを維持するftsZ変異系統を複数得ることができた。現在、この系統を用いて、プロプラスチドの形態・複製状況のモニターを試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成22年度に申請者は申請時の所属機関から現所属機関へと異動した。モデル植物シロイヌナズナの栽培と植物分子生物学実験の実施のために、実験施設・機器などを一から整備する必要が生じた。本研究では、現有の設備で可能な実験から着手することに計画を変更している。

今後の研究の推進方策

研究整備に努めた結果、シロイヌナズナ実験を実施する状況が整ってきた。最終年度は、過去二年間立ち後れていた、色素体分裂異常変異体における花器官のプロプラスチド生組織観察が加速されるものと期待される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Visualization of plastid movement in the pollen tube of Arabidopsis thaliana2012

    • 著者名/発表者名
      Fujiwara MT, et al
    • 雑誌名

      Plant Signaling & Behavior

      巻: 7 ページ: 34-37

    • DOI

      10.4161/psb.7.1.18484

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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