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2010 年度 実績報告書

植物の受容体型キナーゼによる病原菌感染認識と過敏感反応誘導の解析

研究課題

研究課題/領域番号 22780088
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

澤野 頼子  東京医科歯科大学, 教養部, 准助教 (00571077)

キーワード植物 / 受容体型キナーゼ / 過敏感反応誘導 / 病原菌感染認識 / エリシター / 相互作用解析 / 核磁気共鳴
研究概要

植物は病原体に対する誘導抵抗性として、過敏感反応(HR)を引き起こす。HRは植物の抵抗性遺伝子由来のタンパク質が病原体由来の分子(エリシター)を認識することで引き起こされる。本研究ではHRの誘導に関与することが報告されているCysteine-rich受容体型キナーゼ(CRK)に着目し、CRKが病原菌を認識するメカニズムを明らかにすることを目指している。
本年度はCRKの1つであるCRK2の細胞外領域のC末端ドメイン(CRK2-ECD2)について、大腸菌での大量発現系を構築し、精製法を確立し、エリシターの探索を行った。Hisタグ融合CRK2-ECD2タンパク質に対して酵母Saccharomyces cerevisiaeの菌体破砕物を添加したところ、Niカラムに対する吸着性が変化し、S.cerevisiaeに含まれる物質と相互作用する可能性が示唆された。その物質との相互作用部位を同定するため、^<15>N標識CRK2-ECD2を調製し、核磁気共鳴(NMR)解析により主鎖の帰属を行った後、S.cerevisiae cerevisiae破砕物添加前後の^1H-^<15>N HSQCスペクトルの化学シフト変化を観察した。その結果、この物質はCRK2-ECD2のC末端部の4番目と5番目のβストランドを構成すると予測される領域と強く相互作用することが示された。さらに、相互作用する物質を探索するため、CRK2-ECD2にS.cerevisiaeの細胞壁を構成するマンナン等の糖成分を添加して^1H-^<15>N HSQCスペクトルを観察したが、相互作用は認められなかった。以上のように、本年度はCRK2のエリシター候補成分がS. cerevisiaeに含まれることを明らかにした。来年度はさらなる相互作用解析および構造解析を進め、相互作用成分の同定と相互作用メカニズムを解明し、病原菌感染の認識機構を明らかにする予定である。

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公開日: 2012-07-19  

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