研究課題
モリブデン(Mo)は細胞内で酸化還元酵素の活性中心として働く元素で、広く生命活 動に利用される。ところが、生物共通の超微量必須元素であるのにも関わらず、動植物など真核生物のモリブデン吸収・細胞内濃度調節に関わる膜輸送システムの実態は解明されていない。本研究では、単細胞真核生物の酵母Hansenula polymorphaをモデルとして、モリブデン膜輸送関連の変異株の解析を行い、細胞レベルでのモリブデン膜輸送の概要とモリブデン膜輸送に関わる遺伝子群の同定を目的とした。またハンセヌラ酵母のモリブデン輸送体の候補分子を、変異株およびゲノム情報から推定し、昨年開発したモリブデン観察用動物細胞での機能解析と、今年度行ったパン酵母発現系を用いた機能解析により、膜輸送体としての構造的特徴をもつ3分子に絞り込んだ。また、関連して動物・植物細胞の細胞内モリブデン濃度を独自の方法で観察し、特にモデル動物細胞HEK293Tのモリブデン膜輸送体が硫酸イオン耐性、シュウ酸イオン感受性の新タイプであることを明らかにした。これらの成果について、論文発表1件、学会発表5件を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
PLoS ONE
巻: 8 ページ: e58175
10.1371/journal.pone.0058175
http://celld.agr.nagoya-u.ac.jp/nakanishi/130312paperNakanishi.html