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2010 年度 実績報告書

新規カーボンナノチューブ/ペプチド複合素材を用いた酵素の機能的複合体化

研究課題

研究課題/領域番号 22780090
研究機関京都大学

研究代表者

橋田 泰彦  京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 特定研究員 (30512462)

キーワード酵素 / カーボンナノチューブ / ペプチド / 蛋白質工学 / ナノ材料
研究概要

カーボンナノチューブ(CNT)の生化学応用を考える上で、その水溶液中への分散は避けることの出来ない問題である。我々は既にCNTを安定に水溶液中に分散させることの出来るペプチドを設計し、その有効性を確認しており、本研究ではそのペプチドの微生物生産に取り組んだ。GFPをコードする遺伝子の下流にFacterXa認識配列(Ile-Glu-Gly-Arg)をコードした遺伝子配列を挿入し、さらにその下流にAla-Asp-Phe-Serの4アミノ酸を8回繰り返すペプチド配列((ADFS)_8)をコードした遺伝子を連結した。これをプラスミドベクターpCold Iに組み込み、大腸菌Rosetta2 (DE3)株にて発現させた。発現された(DFSA)_8ペプチド融合GFPは、疎水性クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィーにより精製した。収量は培養液1 Lあたり1.9mgであり、収率は1.0%であった。精製されたCNT分散ペプチド融合GFPをFactorXaで処理することにより、3.O kDaの(DFSA)_8ペプチドが遊離されることをSDS-PAGEにて確認した。これによりCNT分散ペプチドの微生物生産系が確立された。
次に、CNT/ペプチド複合体に対する酵素の固定化に取り組んだ。仔ウシ小腸由来アルカリホスファターゼ(CIAP)のN末端アミノ基に二価性架橋剤を用いてマレイミド基を導入した。このマレイミド修飾CIAPを、システインを配列中に含むペプチドを用いて調製したCNT/ペプチド複合体と混合し、その表面に露出したSH基にコンジュゲートさせた。p-ニトロフェニルリン酸を基質としてそのCIAP活性を評価したところ、CNT/ペプチド複合体に固定化されていないCIAPと比べて39%の活性低下が見られた。今後、CNTとの複合体化が酵素に与える影響について、さらに詳細に検討したい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] ペプチドを用いて分散されたカーボンナノチューブを利用した光線温熱効果の検討2011

    • 著者名/発表者名
      田中宏則, 周舒文, 橋田泰彦, 川上茂, 梅山有和, 村上達也, 今堀博, 山下富義, 橋田充
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      ツインメッセ静岡
    • 年月日
      2011-03-29
  • [産業財産権] カーボンナノチューブ-ペプチド複合体2011

    • 発明者名
      橋田泰彦、橋田充、樋口ゆり子、今堀博、梅山有和、磯田正二、辻本将彦
    • 権利者名
      京都大学
    • 産業財産権番号
      特許、特願2011-068972
    • 出願年月日
      2011-03-25

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公開日: 2012-07-19  

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