研究課題/領域番号 |
22780097
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 |
研究代表者 |
中川 裕子 一関工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教 (70435577)
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キーワード | キチン質 / キチン分解酵素 / 相乗効果 / 直接分解 / 組換え酵素 / Streptomyces |
研究概要 |
本研究の目的は、酵素によるキチン質の直接糖化に関わる因子を解明し産業応用に資することである。 キチナーゼ・プロテアーゼを各々単離して、相乗効果が出るかどうかを観察し、最適な混合割合を見出すところまでを、期間内に行う。 1)Streptomyces griseusより単離した3種類のキチン結合タンパク質の異種発現を行って、精製条件を決定した。キチナーゼに関しては、大腸菌及びブレビバチルスの系を用いて発現を試みたが、ほとんどのものが不溶性タンパクになったり、可溶性タンパクになっても十分な量が得られなかった。そこで、Serratia marcescencsのキチナーゼを使用することにした。 2)得られた組換えタンパク質をS.marcescence由来の3種類のキチナーゼと組み合わせて、α-キチン、及びβ-キチンに対する相乗効果を調べ、効果的な組み合わせを明らかにした。最も効果的だったのはβ-キチンにChiCとキチン結合タンパクのうちのひとつを作用させた際で、1日後の糖化効率がキチン結合タンパクを添加しなかった際の30倍にも増加した。分解されにくいα-キチンでも、1日後の糖化効率は軒並み4-8倍に増加した。 3)プロテアーゼの異種発現は難航しているが、市販のプロテアーゼを用いた予備実験を行ったところ、カニ殻のキチナーゼ分解にはプロテアーゼによる前処理が効果的であることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度の段階では酵素の精製で手間取っていたが、23年度で3種類のキチン結合タンパク質を生成し、3種類のキチナーゼと組み合わせた相乗効果を検出するに至ったことで、遅れを取り戻し、大きく進展したと言える。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はプロテアーゼの精製を行って相乗効果が出るかどうかを観察したい。キチン結合タンパク質に関しては、最適な混合割合に関しての検討を行っていないので、α、βそれぞれに最適な酵素液の混合割合を見出す。 また、ポイントミューテーションを入れたキチン結合タンパク質を作成して機能を詳細に解析することも視野に入れている。
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