24年度は23年度までに明らかにしたSgCBP(Streptmyces griseus由来キチンバインディングモジュール family 33) 3つのキチン分解の促進効果に関して詳細な解析を行った。α-キチン、及びβ-キチン分解において効果的な酵素の組み合わせを明らかにし、最低限必要な酵素量を調査した。また、酵素反応における至的pHについて調査し、得られた結果から実用化に向けて最適な割合と組み合わせを提案した。SgCBPの添加によって、キチン分解酵素の量を減らし、分解スピードを上げられることが分かった。これらの結果については学会発表を行い、SgCBPのうちの一つ、SgCBP IVに関して論文執筆中である。 また、前年度までの研究で、キチナーゼ同士を組み合わせた際の効果より、キチンを機械的に前処理したり、キチン結合ドメインをキチナーゼと組み合わせる方がキチンの酵素分解に多大な効果が得られることが分かったことから、酵素分解に効果的なキチンの物性を詳細に解析した。これに関しても学会発表を行い、現在論文を準備している。また、分子進化等を目標に、酵素分解に関わるアミノ酸残基に変異を入れた酵素も作成し、評価を始めた。このキチン結合ドメインに関してはまだまだ不明な点が多く、最近機能が明らかにされた相同遺伝子をもとに、構造解析等を行い、その機能を明らかにしていくためのさらなる研究を進めている。
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