研究課題
1.トリ型インフルエンザウイルス受容体合成酵素の発現系構築トリ型インフルエンザウイルスブロッカー合成の鍵酵素であるα2,3-シアリルトランスフェラーゼの大量発現系構築を試みた。その方法は、その方法は、ラット肝臓cDNAライブラリーを鋳型としたPCRにより、膜貫通領域を除去したラット由来α2,3-シアリルトランスフェラーゼ遺伝子を増幅し、カイコ由来bombixin分泌シグナル配列、FLAGタグ配列を含む融合遺伝子を構築した。続いて、本融合遺伝子を挿入した組み換えBmNPVバクミドを作製し、カイコ幼虫に注射後約1週間飼育し体液を採取した。得られた体液を活性測定に供した結果、酵素活性を確認した。さらに、バクミドシステムによって発現した本糖転移酵素および我々がこれまでに発現系を構築したα2,6-シアリルトランスフェラーゼを利用して、トリ型およびヒト型インフルエンザウイルスレセプター分子の大量合成系を確立した。2.インフルエンザウイルスブロッカーの合成カイコ幼虫を用いたバクミドシステムにより得られた、組換え糖鎖合成酵素群等を利用して合成したトリ型およびヒト型インフルエンザウイルスレセプター分子を安全安価な天然素材であるγ-ポリグルタミン酸や1,6-ヘキサンジオール、EGTA(金属架橋剤)、多糖ポリマー等に組み込むことで、多価性糖鎖リガンドを有するインフルエンザウイルスブロッカーの合成に成功した。今年度の研究成果は、多価性糖鎖リガンドを有するインフルエンザウイルスブロッカーの実践的量産化に見通しを与えた。
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