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2011 年度 実績報告書

一分子解析による食品成分間相互作用が吸収に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22780131
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

小堀 俊郎  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所・食品工学研究領域, 主任研究員 (10353971)

キーワード原子間力顕微鏡 / PepT1 / リポソーム
研究概要

PepT1の発現、精製及びリン脂質への再構成まで実験スキームを構築した。mata、原子間力顕微鏡の相互作用力測定モードによって基質とPepT1の間の相互作用を測定するため、カンチレバーを基質の1つであるトリペプチドCys-Gly-Alaで修飾した。そのために市販のクロスリンキング剤を用いて、カンチレバーに導入したマレイミド基とシステイン残基のチオール基間で結合した。PepT1で再構成したリン脂質、あるいはリン脂質のみの試料を作製し、基質で修飾したカンチレバーと修飾しないカンチレバーを用いて相互作用力の測定を行った。その結果、PepT1で再構成したリン脂質と基質で修飾したカンチレバーの組合せで測定した時に他の組合せの場合に比べて相互作用力が大きく測定される傾向が認められたものの、有意差として明確にはならなかった。再構成PepT1の密度は1マイクロメートル四方当たり20分子程度であり、再構成密度を向上させることが解決策の一つになると考えられる。一方、試験管内腸管モデルであるCaco-2細胞単層シートを安定的に作製する方法を見出し、暗視野顕微鏡による観察方法について条件を最適化した。暗視野顕微鏡は観察視野が原子間力顕微鏡よりも広いにも関わらず、観察対象によっては非染色での解析が可能であることが知られている。そこで、Caco-2培養上面に金コロイドを添加したところ、細胞と粒子の相互作用が1粒子レベル観察できることを見出した。粒径が等しく表面電荷が異なる金コロイドでは細胞に対する吸着挙動が大きく異なったため、表面電荷の改変によって腸管吸収効率を制御できる可能性が示唆された。24年度はこの観察系も併用して解析を進める。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

リン脂質へのPepT1の再構成測定系の調製方法に目途がついた。再構成密度の向上のための条件は探索中であるが、一方で試験管内腸管モデルであるCaco-2細胞を用いた暗視野顕微鏡による相互作用測定の可能性を見出した。

今後の研究の推進方策

これまでに構築した原子間力顕微鏡による測定法あるいは新たに見出した暗視野顕微鏡による相互作用測定を適用する。PepT1再構成系では引き続き再構成密度の向上を図る。一方、暗視野顕微鏡では金粒子等への基質ペプチドの修飾により、非染色にて相互作用を可視化する。上記解析法により消化後に小腸に滞留すると考えられる糖やアミノ酸について、試験系で用いる緩衝液中の含量を系統的に変化させて、相互作用に及ぼす影響を解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Gold nanoparticles as localization markers for direct and live imaging of particle absorption through a caco-2 cell monolayer using dark-field microscopy2012

    • 著者名/発表者名
      Toshiro Kobori, Jun Watanabe, Hidenobu Nakao
    • 雑誌名

      Analytical Sciences

      巻: 28巻 ページ: 61-64

    • DOI

      DOI:10.2116/analsci.28.61

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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