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2010 年度 実績報告書

山地林生態系における湿性・乾性沈着量の定量化と樹冠収支モデルの適用

研究課題

研究課題/領域番号 22780139
研究機関東京大学

研究代表者

田中 延亮  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教 (10323479)

キーワード山地林生態系 / 物質循環 / 湿性沈着 / 乾性沈着 / 霧水沈着 / 溶脱・吸収 / 物質収支モデル
研究概要

本研究課題の期間全体を通した目的は,アジアの2箇所(日本サイト,タイサイト)の山地林生態系をモデルサイトとして,樹冠部における無機イオン物質の循環プロセス,すなわち,樹冠部への降水・霧による湿性沈着,樹冠部への粒子状・ガス状物質の乾性沈着,樹冠部での溶脱・吸収といった物質の循環過程を現地観測により定量的に解明し,既存のモデルの適用可能性の確認や改良をおこなうことにある.研究期間の初年度にあたる本年度では,まず,2箇所の研究サイトにおいて,1.降水・霧による湿性沈着量,2.インファレンシャル法による粒子状・ガス状物質の乾性沈着量,3.林内雨・樹幹流による全沈着量を,時間連続的に現地観測するためのシステムを構築し,本研究課題の基盤である定期的な観測データの収集を開始した.また,本課題に先行してタイサイトで収集していた観測データを用いて,同サイトの霧の発生パターンの解析し,同サイトの森林生態系が霧によってどれほど涵養されているかという点について検討し(Tanaka et al.2010,Tanaka et al.2011),さらに,同サイトで霧サンプルの採取のために使用している霧コレクターの性能についても検討した(Tanaka et al. submitted).また,日本サイトにおける先行データに対して,樹冠部の物質収支モデルを試行的に適用し,その適用可能性について検討をおこなった(今村ら,2010).これらの先行データを用いた検討結果は,いずれも,本年度から開始している一連の観測結果の整理・理解を進めるものと期待される.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Relationships between rainfall, fog and throughfall at a hill evergreen forest site in northern Thailand.2011

    • 著者名/発表者名
      Tanaka N., et al.
    • 雑誌名

      Hydrological Processes

      巻: 25 ページ: 384-391

    • 査読あり
  • [学会発表] 秩父山地ブナ・イヌブナ林の樹冠部における物質循環プロセス2010

    • 著者名/発表者名
      今村直広, ら
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場,千葉
    • 年月日
      2010-05-26
  • [図書] Tropical Montane Cloud Forests2010

    • 著者名/発表者名
      Tanaka N, et al.
    • 総ページ数
      324-331
    • 出版者
      Cambridge University Press, Cambridge, UK

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公開日: 2012-07-19  

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