研究課題/領域番号 |
22780151
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研究機関 | 独立行政法人森林総合研究所 |
研究代表者 |
武津 英太郎 独立行政法人森林総合研究所, 林木育種センター・九州育種場, 研究員 (10370826)
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キーワード | 光周性関連遺伝子 / 材形成フェノロジー / カラマツ |
研究概要 |
光周性関連遺伝子はモデル植物により機能が明らかにされ、さまざまな生理プロセスに影響を及ぼすことが示されている。樹木においても多くの生理プロセスが光周性関連遺伝子により支配されていると考えられるが、その基礎となる光周性関連遺伝子のリソースが整備されていない。本研究課題は日本および世界で主要な造林樹種であるカラマツをモデルとし光周性により影響を受けると考えられる材質等の有用形質の評価を行い、同時に光周性関連遺伝子の単離と塩基配列の決定を行い、発現解析と連鎖解析を通して両者の関連性を明らかにすることが目的である。 今年度は候補遺伝子と対象形質との連鎖解析に向けてベースマップの作成のためのマーカーの検討を行った。連鎖解析に用いる予定の個体の一部より採取したゲノムDNAを用いて、RAPDマーカー、AFLPマーカーの増幅テスト・多型性の確認を行った。また、ESTベースのマーカーの利用も検討し、公共データベースより取得したEST情報を元にしたプライマーの設計および増幅の検討を行った。また、昨年度配列を決定したCONSTANS相同遺伝子について、連鎖解析用個体の親個体を対象に変異の探索を行ったが、現在までに変異箇所は見つかっていない。 光周性に影響を受ける可能性が考えられる形質としてカラマツのバイオマス蓄積量に影響を与える材密度に着目し、連鎖解析に用いる目的で材密度の異なるクローン間での交配家系の個体(1977年植栽)より採取した成長錐サンプルを2mm厚のストリップに加工し、軟X線デンシトメトリ法による材密度と年輪パラメータ(年輪幅、年輪平均密度、晩材率、晩材密度、早材密度)の測定を一部行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究所内での異動があったために、実験環境の整備等に時間がかかった。目的遺伝子に想定されていた発現パターンがみられず、原因の解明に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
初期に想定していたよりもより上流に位置する遺伝子の単離を目指すとともに、ベースマップの作成と連載解析を進める。
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