研究課題
PALSAR(天候に左右されず短期間に国レベルの画像を取得することができるという画期的な衛星センサ)による流域スケールでの地上部現存量推定値の不確実性を極めて厳密に評価することが本研究の目的である。本年度は、目的1.地形が平坦な森林(平地林)において、航空機LiDARデータから推定される広域の地上部現存量(Mg/ha)が正確性を有しているかの確認およびPALSARの後方散乱係数画像のスペックル除去フィルタの種類の検討を行うこと 目的2.地形が急峻な森林(山岳林)において、PALSARの後方散乱係数画像に対して地形効果の補正を行うとともに、多様な林分特性のスギ・ヒノキ人工林において、地形効果補正済みの後方散乱係数とプロット調査で実測した林分材積(m^3/ha)との関係を試験的に調べること、をそれぞれ行った。その結果、目的1では、スペックル除去は単純な平均値フィルタでも十分であること、航空機LiDARから推定された地上部現存量とPALSARのHV偏波の後方散乱係数との間に既知の非線形関係(頭打ちはしない対数関数で適切に表現される)が極めて明瞭に表れること、目的2では、地形効果補正には検討の余地が残されているものの、平地林で明瞭に現れる前述の非線形関係が山岳林でも確認できたこと、ヒノキ人工林では弱い相関が認められたがスギ人工林では有意な相関が認められないこと、がわかった。次年度では、後方散乱係数の地形補正の高度化を図り、さらに林分材積(枝・葉を含んでいない)を地上部現存量に変換して相関関係を分析し直すとともに、適切なモデルを構築する。
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関東森林研究
巻: 62(印刷中(掲載確定))
Proceedings of the international conference of Forestsat2010
ページ: 61-64