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2011 年度 実績報告書

衛星データによる森林の地上部現存量推定の不確実性評価

研究課題

研究課題/領域番号 22780155
研究機関独立行政法人森林総合研究所

研究代表者

高橋 與明  独立行政法人森林総合研究所, 森林管理研究領域, 主任研究員 (90435587)

キーワード地上部現存量 / 不確実性 / 衛星 / PALSAR / LiDAR / 後方散乱係数 / スギ / ヒノキ
研究概要

昇降軌道の違う4ルック(空間解像度はレンジ方向で約10m解像度)のPALSAR画像の後方散乱係数(シグマノート)の地形効果補正の高度化をはかった。ここでいう地形効果補正とは、レーダのlocal incidence angleを考慮した補正を指し、DEMを必要とするものである。次に、航空機LiDARデータ(約1m解像度)と地上調査データ(0.04haの毎木調査)から針葉樹人工林における地上部現存量(AGB)を推定する高精度のモデルIを作成し、平滑化によるスペックルの影響を軽減した解像度(空間解像度の劣化は不可避であるため、実質は30m~50m程度の解像力になる)のPALSARデータを適切に評価しうる広域のLiDAR-AGB画像をモデルIから作成した。モデルIおよびIIの構築には、一般化線型モデルおよびカーネルトリックによるサポートベクターマシンをそれぞれ利用した。PALSARの昇軌道と降軌道の画像の地形効果補正の精度は同程度であったが、結果としてモデルIIの精度には改善の余地が多く残る結果となった。平地林での地上部現存量推定の経験からすると、地形効果補正の精度が改善されない限り、モデルIIの精度を高めることは極めて困難であることが予想された。現在、日本全土に渡って地形効果補正に利用できる地形データは、国土地理院の発行する50m(10m)DEMしかないが(本研究でも地形効果補正に50m-DEMを利用している)、精度の高いDSM(樹冠表面のDEM)が全国的に整備されるようになれば、地形効果補正の精度向上およびモデルIIの精度向上が期待でき、PALSARの地上部現存量推定のポテンシャルを現状よりさらに適切に評価できるようになると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 立木密度の異なるスギ人工林におけるオルソ空中写真のセミバリアンスの特徴2012

    • 著者名/発表者名
      高橋與明、細田和男、西園朋広、田中真哉
    • 雑誌名

      関東森林研究

      巻: 63(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 九州地方における衛星データ,数値標高モデルおよび気象データを併用した森林分布図作成手法の検討2012

    • 著者名/発表者名
      田中真哉、高橋與明、西園朋広、家原敏郎、齋藤英樹、粟屋善雄
    • 雑誌名

      関東森林研究

      巻: 63(印刷中)(掲載確定)

    • 査読あり
  • [学会発表] スギ・ヒノキ人工林における航空機LiDARデータと林分構造の関係2012

    • 著者名/発表者名
      高橋與明
    • 学会等名
      日本森林学会大会
    • 発表場所
      宇都宮大学(栃木県)
    • 年月日
      2012-03-28
  • [学会発表] 立木密度の異なるスギ人工林におけるオルソ空中写真のセミバリアンスの特徴2011

    • 著者名/発表者名
      高橋與明、細田和男、西園朋広、田中真哉
    • 学会等名
      関東森林学会大会
    • 発表場所
      群馬県社会福祉総合センター(群馬県)
    • 年月日
      2011-10-21
  • [学会発表] Tropical seasonal forest monitoring using PALSAR data2011

    • 著者名/発表者名
      Hideki Saito、Yoshio Awaya、Tomoaki Takahashi、Yoshiyuki Kiyono、Masanobu Shimada、Tamotsu Sato、Jumpei Toriyama、Yukako Monda、Sophal Chann
    • 学会等名
      Seminar on Forest Monitoring Methodologies using ALOS PALSAR
    • 発表場所
      ジャカルタ(インドネシア)
    • 年月日
      2011-07-21

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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