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2011 年度 実績報告書

紙表面上で界面重合反応を行う手法を活用した機能紙調製法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22780163
研究機関高知大学

研究代表者

市浦 英明  高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (30448394)

キーワード機能紙 / 界面重合反応 / 徐放性
研究概要

本研究では、紙に機能を付与するために、紙と機能材料の複合化方法、特に、界面重合反応を応用した手法について研究を行った。紙表面上に界面を形成させ、その領域で重合を行い、揮発性化合物を内包したナイロン膜およびポリウレア膜を生成することにより、紙と揮発性化合物の複合化を試みた。本年度は、揮発性化合物としてゲラニオールおよびジエチルトルアミド(DEET)を使用した。そして、ナイロン膜およびポリウレア膜を調製したシートのゲラニオールおよびDEETの定着量および徐放性を評価し、内包物質による影響を評価した。
ゲラニオールおよびDEETを分散させた2.5-50%エチレンジアミン(EDA)水溶液にろ紙を含浸した後、1%二塩化テレフタロイルorヘキサメチレンジイソシアネート/シクロヘキサン溶液に10分間含浸した。その後、風乾して調製シートを作成した。液体クロマトグラフ(HPLC)を用いて、DEETの定着量および徐放性を評価した。
シート断面のSEM観察の結果、EDA水溶液濃度が高くなるにつれて膜厚が大きくなる傾向であった。ポリアミド膜とポリウレア膜を比較した場合、すべての条件においてポリウレア膜の方が薄くなった。例えば、EDA濃度が10%の場合を比較するとポリアミド膜およびポリウレア膜の膜厚は、それぞれ20μmおよび1.5μmであった。ゲラニオールおよびDEETのポリアミド膜調製シートおよびポリウレア膜調製シートの定着量は、EDA濃度が25%の時に最大値を示した。その際の定着量は、ゲラニオールの場合、41mg/m^2、DEETの場合、32mg/m^2であった。本研究で調製したシートの72時間後の残存率は、ブランクシートの1.2%よりもすべての条件において高かった。DEETを含有したポリウレア膜の残存率は72時間で57%を示し、調製した調製条件で最も高い残存率であった。このことから、本研究の界面重合反応を利用した手法は、紙に徐放性を付与する手法として、有効であることが示された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Interfacial polymerization preparation of functional paper coated with polyamide film containing volatile essential oil2012

    • 著者名/発表者名
      Ichiura H., Takayama M., and Ohtani H.
    • 雑誌名

      Journal of Applied Polymer Science

      巻: 124 ページ: 242-247

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 匂い変換機能を有するインテリジェント機能紙の創製"124、6-9(2011)2011

    • 著者名/発表者名
      市浦英明
    • 雑誌名

      WEB Journal

      巻: 124 ページ: 6-9

  • [学会発表] 農工業系廃棄物を活用した機能材料創出2012

    • 著者名/発表者名
      市浦英明
    • 学会等名
      JST CREST「気候変動を考慮した農業地域の面的水管理・カスケード型資源循環システムの構築」第2回公開シンポジウム
    • 発表場所
      高知会館、高知
    • 年月日
      2012-03-13
  • [学会発表] 農工業系廃棄物を活用した機能材料創出2012

    • 著者名/発表者名
      市浦英明
    • 学会等名
      平成23年度四国紙パルプ研究協議会講演会
    • 発表場所
      高知県紙産業技術センター、高知
    • 年月日
      2012-03-08
  • [学会発表] 界面重合反応の活用による揮発性化合物含有高分子膜の紙表面上での直接合成2011

    • 著者名/発表者名
      山本健一、市浦英明、大谷慶人
    • 学会等名
      平成23年度繊維学会年次大会
    • 発表場所
      タワーホール船堀、東京
    • 年月日
      20110608-20110610
  • [学会発表] インテリジェント機能紙の開発とその周辺技術2011

    • 著者名/発表者名
      市浦英明
    • 学会等名
      四国次世代紙関連産業創出異業種交流フォーラム
    • 発表場所
      グランフォーレ三島、愛媛
    • 年月日
      2011-11-21
  • [学会発表] 界面重合反応を活用した機能紙への徐放性付与-揮発性化合物含有高分子膜の直接合成-2011

    • 著者名/発表者名
      山本健一、市浦英明、大谷慶人
    • 学会等名
      第23回日本木材学会中国・四国支部
    • 発表場所
      広島大学、広島
    • 年月日
      2011-09-26
  • [備考]

    • URL

      http://www.cc.kochi-u.ac.jp/~ichiura/woodchem/ichiura/ichiurahome.html

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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