近年、二枚貝にも異物を認識して生体防御反応を誘起するメカニズムが備わっていることが明らかになりつつある。本研究により、ウイルスを表現するdsRNAに対してマガキが血液中の血球数を増加させることが分かった。しかし、この反応は他の二枚貝であるアサリでは見られず、二枚貝の種によって認識メカニズムに違いがあると考えられた。また、dsRNAに対して特段の反応を示さないアサリは、dsRNA導入によるRNA干渉(RNAi)を利用した遺伝子ノックダウンに適した生物と考えられ、アサリを用いたRNAi法の標準化と生理学的研究への応用を試みている。
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