(1)DNAマイクロアレイによる網羅的発現遺伝子解析 連鎖球菌症抗病性系統(C25)および連鎖球菌症感受性系統(AA4)を用いて連鎖球菌による感染実験を行い、死亡が始まる4日まで経時的(6、12、24、48、72時間)に実験魚をサンプリングする。血液および胸腺からRNAサンプルを取り解析、網羅的に遺伝子をプロットされたDNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現プロファイルを行い、両系統の発現遺伝子の傾向の違いを比較することにより、病原体感染に関与する候補遺伝子を特定した、特に連鎖球菌症抗病性にはMHCclassII、及びMHC class I bが、領域、及び発現遺伝子ともに抗病性に関与することが示唆された。 (2)網羅的発現遺伝子解析の情報と連鎖解析による位置的候補遺伝子座の情報との融合 網羅的発現遺伝子解析の結果を受け、それら発現候補遺伝子の位置情報を検索、平成23年度の細菌感染表現型データと連鎖解析による位置候補遺伝子座の結果の情報を融合し、信頼性の高い細菌感染症に関する抗病性関連遺伝子とその領域を特定する。 網羅的に遺伝子をプロットされたDNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現プロファイルを行い、両系統の発現遺伝子の傾向の違いを比較することにより、病原体感染に関与する候補遺伝子を特定し、連鎖解析による位置候補遺伝子座の結果の情報を融合し、信頼性の高い細菌感染症に関する抗病性関連遺伝子とその領域を特定した。今回の連鎖解析で、有意差が見られるマーカー座位の存在する領域は、MHC class II、及びMHC class I bなどの免疫関連遺伝子の存在する領域や、それらがゲノム重複した領域の複数個所に概ね一致した。特に連鎖群RT-3、RT-16、RT-2、RT-29、RT-27、RT-31、RT-17、RT-22が連鎖球菌症抗病性に関する重要な領域である可能性が高いと考えられる。
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