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2010 年度 実績報告書

畜産副産物の活用・流通・取引の比較機構分析-安全な静脈流通の再構築の課題解明-

研究課題

研究課題/領域番号 22780209
研究機関鹿児島大学

研究代表者

豊 智行  鹿児島大学, 農学部, 准教授 (40335998)

キーワード畜産副産物 / レンダリング / 肉骨粉 / 静脈流通 / リスク評価 / リスク管理
研究概要

本研究の目的はBSEに伴う牛由来肉骨粉の飼料給与禁止後の畜産副産物流通の再構築に向けた課題を解明することである。今年度は日本とEUにおける畜産副産物の利用の相違を明らかにした。
第一はEUでは畜産副産物をリスクの高いものからC1~C3と分類し、リスクに応じた管理と有効利用を図っているが、日本においてはBSE検査を受けて問題のなかった牛から特定危険部位が除去されたC3と同等の畜産副産物からの肉骨粉であっても焼却処理している。日本での焼却以外の新たな利用について検討の余地がある。第二は飼料、肥料、ペットフードへの畜産副産物の利用規制に日本とEUで相違があるが、EUではC2とC3からの牛由来肉骨粉は肥料として使用されていることは注目に値する。第三は日本ではC1と同等のものはすべて焼却処分されているが、EUではC1を一定のシステム下で処理することにより、バイオガス発生やバイオディーゼル生産のための利用、温熱ボイラーでの燃焼が認められ、エネルギー転換剤としての利用が進んでいる。第四はEUでは畜産副産物由来物(C1油脂)を自社の処理加工の燃料としたり、食品残渣(C3)を原料として発生させた熱エネルギーを自社利用する動きがみられる。第五はEUではC3のリスクの低い畜産副産物の集荷をめぐってレンダリング工場、バイオガス工場、堆肥工場、工業製品工場の間で競合が起こっている。C3はレンダリング工場の処理を経ずに、直接これらへ移送可能であること、様々な用途があることから畜産副産物の静脈流通に多様な業態が介在するようになっている。
畜産副産物の利用はいつでも慎重なリスク評価と適切なリスク管理のもとに実行されなければならないが、これらは日本での新たな利用に示唆を与えるものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] BSEに伴う飼料給与禁止後のEUにおける畜産副産物等の有効利用2011

    • 著者名/発表者名
      豊智行・中川隆
    • 雑誌名

      Feed Trade

      巻: Vol.47 No.2 ページ: 6-17

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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