研究課題
モデル水溶液,農産物および食品を試料とし,0.6-18 THzの広帯域な分光測定可能なテラヘルツ分光器を構築することにより,テラヘルツ指紋スペクトルを得ると共にイメージングを試みる.得られたスペクトルから水分・成分変化を示すパラメータを抽出し,食品加工・保存中の水の挙動―内部変化における相互関連性を明らかにする.具体的には,食品加工としては応募者が今までに知見を集積してきた,超高圧食品加工,食品冷凍を採用し,その内部構造情報について,LCRメータおよび原子間力顕微鏡を用いて無処理試料と比較することにより,食品加工プロセスによって変化する水分・構造特性を明らかにする.テラヘルツ(THz)分光を用いた農産物および食品の品質評価法の開発に際し,凍結試料観察部,試料位置決め2軸ステージ装置,テラヘルツ時間領域分光装置および撮像装置を有する,テラヘルツ分光装置を構築した.ゼラチン水溶液に蛍光試薬を添加し,異なる凍結速度で調製した試料について,凍結過程におけるTHz波の透過率を測定した.THz波は窒素ガスにより水蒸気を除去した環境下で照射し,100ピクセル四方の画像を7時間撮像した.得られたスペクトルを用いて2次元画像を構築したところ,組織間における成分の違いを明瞭に識別することが困難であった.そこで,時間領域分光の最大ポジションを試料測定に適用することにより,セルサイズが10μm以上の比較的大きな組織間の違いは明瞭に識別可能となった.THz領域における光散乱の影響によって,対象サイズによって異なる光学特性を有することが示唆された.今後は高精度かつ短時間での測定を可能とする装置系を構築することにより,品質評価の現場で使用可能な装置の開発を目指す.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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10.1016/j.jbiosc.2012.02.001